首都直下地震や南海トラフ巨大地震で想定されている激しい揺れに見舞われた場合、最も重要なことは、自らの命を守ること。そしてその後は、従業員の安否確認や建物・設備の安全確認など、自社の被害状況を把握し、速やかな事業復旧につなげていくことです。

今回から、地震などの災害で重大な被害を被ったとき、どのように被害の確認を進めていくべきかを説明します。

復旧活動編その1 被害の確認:従業員の安否確認

従業員の安否確認の手順は、その災害、例えば地震が就業時間内に発生したものか、それとも就業時間外に発生したものかによって異なります。

1. 就業時間内の安否確認
まず職場内で確認を進め安否確認システムを使って集約する

地震が就業時間内に発生したのであれば、従業員は事務所や工場の中にいることになるため、まずその場で課やチームごとに安否を確認して、結果を取りまとめます。

その段階でも余震が起こる可能性がありますので、常に自らの安全確保を図りながら、安否確認を進めます。通常の執務スペースだけではなく、会議室や応接室、そして書庫・倉庫やトイレなど、従業員がいる可能性がある場所に人がいないかどうかも確認しましょう。あわせて、社内に来訪者がいる場合は、来訪者の安否確認も行います。

そして最終的には、外出や出張している従業員、そして休暇中の従業員を含め全従業員の安否確認を行う必要があります。そのため、次ページの就業時間外に起こった場合と同様に、安否確認システムを使って確認を進めることになります。