国交省は都道府県管理河川でも、市町村への情報提供強化を促す(写真は2015年の鬼怒川水害で被害を受けた茨城県常総市)

国土交通省は6日、「中小河川におけるホットライン活用ガイドライン」を策定したと発表した。都道府県に対し、管理する河川に異常があった際、すみやかに市町村の首長に連絡が取れる体制構築を促す。2018年の梅雨をめどに全国での構築を目指す。

国が管理する大河川においては河川事務所長から市町村長へ直接、状態などを知らせるホットラインの運用が行われている。一方で中小河川を管理する都道府県では11県しか同様の体制が構築されていない。

2016年の台風10号では岩手県の小本川が避難勧告の発令基準に達していたものの、岩泉町長に伝わらず、避難勧告が発令されなかったことが要因でグループホームの入居者9名など21名の死者・行方不明者を出した。

ガイドラインでは都道府県の河川担当部局の長から市町村長に対し、すみやかに情報を伝える体制構築を促し、被害拡大を防ぐ。都道府県が管轄する洪水予報の対象となる洪水予報河川は126、避難判断水位を設定している水位周知河川は1436。

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