出典: Reader's Digest

ペットの健康に影響を及ぼす可能性のある、身近な街路樹や公園緑地の花木類などの管理のために使われている農薬の毒性について、とても興味深く、そして読むと「見えないモノ(農薬)が見えてくる」気づきのきっかけになる調査資料を見つけました。

■自治体における街路樹、公園緑地等での防除実態調査結果
(環境省 水・大気環境局土壌環境課農薬環境管理室)
   https://www.env.go.jp/press/files/jp/9073.pdf

この資料を作成した環境省の水・大気環境局土壌環境課農薬環境管理室は、周辺住民が吸入した場合に健康に悪影響を及ぼす恐れがあり、 農薬の飛散リスクを評価し管理する必要性が高まっていることから、2005年度より「農薬飛散リスク評価手法等確立調査」を行っているとのことです。

出典: Dorian Drake International Inc. https://www.doriandrake.com


散布されている各農薬の毒性については詳しく触れませんが、簡単に読むと「健康に悪影響のある農薬を吸引した場合のリスクについての報告書」のようです。

ということは人間の鼻よりも地面に近く、毎日平均2回・平均距離2kmの散歩をし、体も小さく吸引量も多いと思われる犬にとっては、日々、農薬が体内に取り込まれる可能性が高いわけです。かなりの累積毒となってしまうのではないかと心配になります。

以下は「フェニトロチオンの毒性」から抜粋しています。

フェニトロチオンは有機リン殺虫剤であり、スミチオンという商品名で良く知られており、広く使われている。毒性が弱いという俗信があり、周囲の状況に無頓着に無神経に使われていることがしばしばある。

有機リンなどが発達中の子ども 胎児に大きな影響を与えることが知られるようになってきた。


フェニトロチオン(商品名:スミチオン)は低毒性とか普通物と言われているが、決して安全な農薬でなく、多くの中毒事故や死亡事故を出している(菅谷他 1981)。

(出典:「フェニトロチオンの毒性」(渡部和男氏)
http://www.maroon.dti.ne.jp/bandaikw/archiv/pesticide/insecticide/organophos/MEP/fenitrothion_tox_2010.pdf )



下記表は、各自治体の農薬使用頻度、量の多い薬剤についての選択理由です。

出典:「自治体における街路樹、公園緑地等での防除実態調査結果」
    環境省 水・大気環境局土壌環境課農薬環境管理室

確かに、農薬を散布して害虫を駆除しなければ、街路樹や公園緑地といった場所の花々などを維持管理できない現実があります。季節の花々が楽しめなくなるのは悲しいですしね。
    
もちろん、ナチュラルメイドのオーガニック農薬などを使えばいいのですが、現在、国内で市販されているものは高すぎてコストが合わないのと、幅広い種類の害虫駆除に対応できる、環境に優しい自然成分由来の農薬がないため、どうしても現在使用している農薬を今後も使う必要があるようです。

ではどうしたらいいのか?農薬の吸引予防方法を考えてみました。

1、スニッフィング(嗅ぐ行為)を減らす。

散歩中に何かを嗅ぐのは、犬の楽しみの一つなのかもしれません。ただ農薬に限らず、花粉などを嗅がせたくないときには、できるだけ歩道の真ん中を歩かせるようにすることで、予防できる可能性が高くなります。また、周囲の建物の配置によっても風通しなどにより、落ち葉やゴミがたまりやすい場所がありますので、普段の散歩の時から「見えないモノを見る」目を配っておくといいかもしれません。

下記は、飼い主先導型の散歩のしつけシーンです。


How to Train a Dog to "Heel" (K9-1.com) Dog Training by K9-1.com (出典:Youtube)