第84回: 世界の経営者が2020年に懸念しているリスクは何か
NC State University's ERM Initiative and Protiviti / Executive Perspectives on Top Risks 2020
合同会社 Office SRC/
代表
田代 邦幸
田代 邦幸
自動車メーカー、半導体製造装置メーカー勤務を経て、2005年より複数のコンサルティングファームにて、事業継続マネジメント(BCM)や災害対策などに関するコンサルティングに従事した後、独立して2020年に合同会社Office SRCを設立。引き続き同分野のコンサルティングに従事する傍ら、The Business Continuity Institute(BCI)日本支部事務局としての活動などを通して、BCMの普及啓発にも積極的に取り組んでいる。一般社団法人レジリエンス協会 組織レジリエンス研究会座長。BCI Approved Instructor。JQA 認定 ISO/IEC27001 審査員。著書『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)
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世界1000人が30項目から選択
今回紹介させていただく調査報告書「Executive Perspectives on Top Risks 2020」は、世界各国の企業における経営層の方々1000人以上を対象として行ったアンケート調査の結果から、2020年に向けてどのようなリスクが懸念されているかを探ったものである。アンケート調査はノースカロライナ州立大学のプール経営学部(Poole College of Management)に設置されている研究機関であるERM Initiativeと、コンサルティングファームのProtivitiとの共同で2019年秋に行われ、調査報告書は2019年12月に公開されている。
アンケートの対象者は「C-suite」(注1)と総称される役員および取締役で、地域別の内訳は次のようになっている。
北米:39%
欧州:22%
アジア、オーストラリア、ニュージーランド:18%
南米、インド、アフリカ、中東:21%
アンケートではあらかじめリスクに関する30の課題がリストアップされており、これらの影響度合いが自社にとってどの程度かを、「1:全く影響がない」から「10:甚大な影響がある」までの10段階で回答する形となっている。リストアップさている30の課題については記載を省略させていただくが、「マクロ経済に関する課題(macroeconomic risk issues)」が9項目、「戦略面の課題(strategic risk issues)」が11項目、「事業運営面の課題(operational risk issues)」が 10項目となっている。
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