徹底的、実践的な訓練により体で覚える

施設の開設状況などの情報をアプリで発信するためには、区と協議会員間での情報共有が不可欠です。9月1日「中央区総合防災訓練」内では情報連携ツールを活用した帰宅困難者対策訓練を実施されました。

訓練での実践に向け、中央区は緻密な事前説明会を実施していました。8月19日、「帰宅困難者支援施設運営協議会」において訓練説明会を実施しました。スマートフォンを片手に訓練に向けて、いや実際の災害時に向けて、模擬演習を行います。訓練の説明会ではありますが、災害時と同様の緊張感で会議を進められている様子が印象的でした。

災害時はゆっくりと時間は流れません。協議会で説明をされる時からスピード感があり、非常に実践的な動きとなっていました。

この実践的な操作を繰り返すことで、いざという時には身体で覚えている。急な対応にも応じられる心と身体の準備ができるのだなと感じる説明会でした。

また、実際に使ってみると「わからない」「使いづらい」など意見も出て、改善にもつながります。まずは、災害時を具体的に想像しながら、実践してみることが一番ですね。

説明会を実施し、臨んだ9月1日の訓練はどのような形で進んだのでしょうか。「スムーズに進んだ訓練となったと思います。しかし、そこが課題かなと。災害時は全てがスムーズに訓練通りにいくわけではありません。混乱が起きた際にどう対応するのか、訓練内で混乱した状態をいかに想像し、対応する体制をイメージしておけるかが次のステップだと思っています」(石橋さん)。

なるほど。発災したときの対応方法を頭と身体で覚えて、行動がスムーズにできるようになり、次は、「混乱」が起きた際にどう対応できるのかという心と判断力を身につけていく段階。

訓練のための訓練ではない、より実践的な取り組みの展開を中央区ではもうすでに築かれ始めているようです。

2019年9月1日に開催された中央区総合防災訓練の様子。参加者の方々は、いざという時の行動をを一つ一つ確認しながら訓練に臨みます

中央区の防災対策三本柱の内容をお伝えしてきました。東日本大震災発生前から緻密に計画を立て、発災後も経験を踏まえて事業の見直しを丁寧に実践。

区内だけの計画にとどまらず、協働する企業、地域の方々と連携し、また地域の方々同士の連携の機会をも生み出し、災害時に必要な「つながり」を総務部防災課普及係の方々自ら築かれていました。

発災直後、企業の従業員、住民、来街者…立場が違う人たちがビルの前にワッと集結したとき、どのような行動をとることができるか…ちょっと想像してみてください。

自分自身がどんな場所にいて、どのような状態になるのか…その状況になった時にどうすればいいのか…なかなかイメージもつかないですよね。まずは、身近なところで開催されている防災訓練に参加してみるといいのかもしれません。そこで何かヒントが見つかるかも。

緻密な計画を立てる総務部防災課普及係

(了)