日本の道路網の始点である日本橋

東京都23区内の災害対策は多様です。それは、地形や過去の経験が様々だから。お住まいの地域の防災対策が「その区ならでは」のものになっていることをご存知ですか? まずは、住んでいるまちのことを知り、そのまちで安心して暮らすための対策を知る。その行動次第であなたの大切な人の命が救われるとしたら…? 23区の「その区ならでは」をここで一挙にお伝えします! 今回は、中央区です。住民の方の取り組みからご紹介します。

中央区の防災対策三本柱

第15回は中央区内のマンション、第16回と今回の第17回は、中央区の取り組みについてお伝えしていきます。

中央区役所の取り組みの特徴は、

1.地域防災の取り組み
2.高層住宅の防災対策
3.帰宅困難者対策

の三本柱。

今回は、3.帰宅困難者対策についてです。

「一斉帰宅抑制の周知を通じて、災害時に帰宅困難となってしまう人を減らすこと、また、行き場のない帰宅困難者を受け入れる施設の確保を中心として取り組みを進めています」と話すのは、中央区総務部防災課普及係 石橋美優さん。首都直下地震が発生した場合、現在の被害想定では、約30万人の帰宅困難者が発生するとされています。また中央区内の事業所の従業員は約75万5000人。「従業員の方々が地域の避難所に殺到してしまうと、混乱が生じる恐れがあります。現在、東京都の条例において事業所は従業員や施設の利用者を3日間とどめることを責務として定めており、中央区でもパンフレット配布や出前講座の機会に周知を行っています」と石橋さん。地道な周知活動も怠りません。

入庁して4年目、1年目から変わらず、防災課に所属している石橋さん。「帰宅困難者対策を担当しています。民間事業者が主体となって、帰宅困難者対策を基軸とする地域防災対策に取り組む帰宅困難者支援施設運営協議会では、年5回の会議と年1回の訓練を実施しています。企業の方も業務時間内に参加していただいていて、企業にとっても意義を感じていただきながら、協力し合えるように関係性を築いています。顔を合わせる機会では、参加企業の方にごあいさつをして、コミュニケーションをとるようにしています」と4年目とは思えないほどの落ち着きで話す石橋さん。

入庁して先輩に教わった「人」との関係性を大切に築くということ。丁寧なコミュニケーションを習慣化して、企業の方との「つながり」づくりを日々積み重ねられています。