ワールド ファイアーファイターズ:世界の消防新事情
財政難の消防局が行っている予算の有効活用方法とは
フレキシブルに工夫するアメリカの消防局の知恵
一般社団法人 日本防災教育訓練センター 代表理事/
一般社団法人 日本国際動物救命救急協会 代表理事
サニー カミヤ
サニー カミヤ
元福岡市消防局レスキュー隊小隊長。元国際緊急援助隊。元ニューヨーク州救急隊員。台風下の博多湾で起きた韓国籍貨物船事故で4名を救助し、内閣総理大臣表彰受賞。人命救助者数は1500名を超える。世田谷区防災士会理事。G4S 警備保障会社 セキュリティーコンサルタント、FCR株式会社 鉄道の人的災害対応顧問、株式会社レスキュープラス 上級災害対策指導官。防災コンサルタント、セミナー、講演会など日本全国で活躍中。特定非営利活動法人ジャパンハート国際緊急救援事業顧問、特定非営利活動法人ピースウィンズ合同レスキューチームアドバイザー。
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こんにちは。サニー カミヤです。このコラムでは、財政難の消防局が行っている予算の有効活用方法についてアメリカの事情をお伝えいたします。
One third of Lorain firefighters to be laid off Friday amid budget cuts(出典:YouTube)
誰でも苦しくなることは、あまり考えたくないのは当然です。しかしさらに苦しくなる前に具体的に考え、本気で早めに準備をしておく必要があると思います。
近年、日本は人口減の一途をたどり、毎年約25万人という比較的大きな市の人口に相当する人数が「激減」しています。また、高齢化の進展により医療や介護などの自治体負担は今後も増える一方です。
北海道夕張市の例を見ると、実質的な財政破綻後に財政再生団体となり、借金を返すために公共料金など値上げに次ぐ値上げが起こりました。
たとえば、市民税や都道府県民税、固定資産税、軽自動車の増税、入湯税の新設など各種税金が値上げされました。公共料金では、下水道料金や保育料のアップ、市営バス料金の値上げ、一般ゴミも含めたゴミ収集の有料化のほか介護保険料の値上げなど、得られるところから片端に徴収していくしか方法がありませんが、税金や公共料金を上げれば、当然住民の消費は冷え込みます。
破綻予備軍と言われている自治体も、住民が出て行ってしまえば財政は当然立ち行かなくなってしまいます。数年前まで、数少ない成長分野とされていた観光立地化も、すでにどこも同じような集客内容で飽きられてきたのか、頭打ちになってきていると言われています。
自治体が「財政破綻」したら地域住民の生活は一変します。まず、若い人たちはが土地を離れ、人口(納税者)が減り、税収が減ります。その結果、減り続ける税収で成り立つ地方自治体職員の給与も減らさざるを得ませんので、もちろん、消防局の予算も大幅に削減され、消防士の給与も減ることは避けられません。
今、住宅ローンなどを抱えている消防士にとっては、給与が減ることで、さらに生活がきつくなります。
消防士は公務員であるため、信用があり、銀行からの借金も容易ですが、これからは、毎月の固定費を増やさない工夫がさらに必要です。また、アメリカの一部の消防局のように、地方公務員の営利企業従事制限の緩和により、非番日の副職も認めることも考えておくことも消防士の生活を守る1つの対策かもしれません。
■「財政破綻」は実際にどういうことなのか 夕張市長 鈴木直道
(NIKKEI STYLE)
http://style.nikkei.com/article/DGXBZO64609980W3A221C1000000?channel=DF130120166044
残念ながら日本に限らず、アメリカを始め先進国のほとんどの市町村で同じような現象が起こっています。
Budget cuts could prevent Martinsville Fire Department from saving lives (出典:YouTube)
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