2016/10/13
業種別BCPのあり方
このほか、乗用車関連では保険、ローン、税金等の取扱いに関する特例措置が実施されることがあり、お客さまの関心は高い。これらの情報は、国の通知文を読んだだけでは内容が分からないこともあるため、自動車販売業において内容を把握したうえで、必要な情報を提供することが行われることが望まれる。
加えて、発注を受けて納車待ちをされているお客さまに対しては、自動車メーカーと連携して、生産時期を確認し、納車日の目安を伝えることがトラブル防止の観点からも重要である。
3)自社の経営資源を踏まえた対応が重要
メーカー系の自動車販売業であれば、自動車メーカーが実施する販売店向け仕入れ代金の決済猶予期間開設による資金繰り支援、被災地に対する中古車の集中供給、受注済み顧客への車検費用負担など様々な支援を受けることができるため、自社の経営資源に制限があったとしても、自動車メーカーと連携することで対応を進めることができる。これも一つの経営資源といえる。
一方、メーカーの系列に属していない自動車販売業においては、自社の企業体力を踏まえ、在庫の積み増しなど攻めの営業政策をとるのか、それとも守りの営業政策をとるのか、自社の事業継続とその後の発展に向けて、真摯な検討を進めることが自社の存続を確保するうえで欠かせない。
(了)
業種別BCPのあり方の他の記事
- 第23回 事業中断対策の今後(1)
- 第22回 自動車販売業の事業継続
- 第21回 緊急事態における企業の対応要員の行動
- 第20回 ガス業の事業継続(2)
- 第19回 ガス業の事業継続(1)
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方