待遇格差は両国スタッフ間の溝を生みます

日本からやってくる駐在員の中には「初めての海外勤務が中国」という人も少なくありません。

昨今どの日系企業も現地法人を設立し、ある程度の期間が経っていることから、既にできあがった基盤の上で事業を継続するだけで事足りるという状態にあります。よって、最近の駐在員は「先発投手」というよりは「リリーフ投手」のような役割を担う人材が選択されることが多いようなのです。

当然、「先発投手」には海外勤務も長く、かつ開拓精神も強い人材があてがわれるのが通常であり、ゼロから始めて生産環境を立ち上げるにはそれなりの実力(言語力、柔軟性、忍耐力など)が必要といえるでしょう。ところが、「リリーフ投手」の場合には、既にできあがった環境を最低でも崩さないで現状維持が望まれるため、やたらと新しいことを試したり、または改善を積極的に進めたりする人材は必要なく、しっかりと現地と本社のパイプ役を担うような人が選ばれることになります。

しかし、このやり方が結果として「実際の中国に適していない」という事例をたくさん垣間見てきました。

日々変化を続ける中国においての事業環境は、雇用条件と待遇の是正という2つの面が注目されていくこと思われます。