コンゴなどアフリカで流行するエボラウイルス(出典:Shutterstock)

死亡率高く、人から人へ感染

コンゴ民主共和国(旧ザイール、以下コンゴ)から帰国した埼玉県の70代女性のエボラ出血熱感染が疑われ、結果は陰性でしたが注目を集めました。エボラ出血熱は、アフリカで認められるエボラウイルスによる感染病です。感染症新法では一類感染症に分類される、死亡率の極めて高い、日本国内には存在しない最も危険度の高い疾病の一つです。エボラ出血熱患者全てに出血症状が認められるわけではないため、国際的にはエボラウイルス病と呼称されています。

エボラ出血熱の特徴は、死亡率が高いこと、血液や体液との接触により人から人へ感染すること、伝統的な風習が強く、衛生状態が劣悪で、医療組織が十分整備されていない地域では、流行が繰り返し起こることです。実際に、2018年5月にコンゴでは、同国9回目の集団発生が起きました。罹患者54名(うち死亡者33名)が報告され7月にいったん終息しましたが、同年8月に同国10回目の新たな集団発生が発生し、現在も流行は続いており、これまでに1600人以上が死亡しています。