普段、私たちが食べている主食は、米以外にパンや麺などさまざまですが、東日本大震災で最もよく食べられたのは米でした。熊本地震でも、国がプッシュ作戦で食料支援した主食のうち最も多かったのは米です。米飯の比率は食料全体の支援の約半量を占めました。

米飯が果たす役割はそれだけ大きいと考えられます。そこで、今回は米の質を高める提案をしたいと思います。なぜなら、これまでの回で指摘してきたように、災害時は普段の食事に比べて栄養が不足し健康を保ちにくいからです。主食だけでおかずがないというお粗末な状況に陥ることもこれまでに紹介してきた通りです。

こうしたことから、私は米自体の栄養を充実させることが重要ではないかと本気で考えています。今、市場に出回っている米には「完全精白米」の他に、栄養面を配慮したいわゆる「栄養配慮米」というものがあります。例えば、ロウカット玄米、胚芽米、金芽米などです。今回、実際に金芽米についてその効果を試してみましたので、その結果を説明します。もし支援物資として、この種の栄養配慮米を積極的に被災地に送り込んでいただけば、元気を失くした被災者には活力の原動力になるに違いありません。