2014/09/20
C+Bousai vol1

本年度の「防災白書」に地区防災計画制度に関する特集が組まれました。「共助による地域防災力の強化~地区防災計画制度の施行を受けて~」をテーマに、地域防災力強化の方向性について検証を行っています。26年版は2014 年6月20日に公表されています。
(文章:専修大学 金思穎 Jin Siying)
1.はじめに
「防災白書」は、「災害対策基本法」に基づき、1963年から政府により毎年公表されている法定白書です。2014年6月20日に公表された本年度の白書では、「地区防災計画制度」に関する特集が組まれました。
そこでは、「共助による地域防災力の強化~地区防災計画制度の施行を受けて~」をテーマに、地域防災力強化の方向性について検証を行っています。
本白書は、これまでその時々の重要課題について特集を組んで検証を行っており、防災関係の文献としては、最も引用されることが多い文献の1つです。
本白書公表直後の6月29日に、産学官民の有志によって地区防災計画学会の設立総会が開催されましたが、このような白書の特集の内容を踏まえますと、本学会の活動は、まさに、防災のメインストリームに乗っているといえると思います。
本年度の白書では、内閣府によって収集された最新データの分析が行われているほか、産学官民の関係者が、先進事例についてコラム形式で執筆しており、当学会の関係者も多数これらの執筆に携わっていらっしゃいます。
以下、その特徴的な部分について、簡単に紹介させていただきます。
2.地域活動(地緑活動)と防災活動との関係
東日本大震災などでは、被災者を支援すべき行政自体が被災してしまい、その機能が麻痺しました(公助の限界)。その教訓を踏まえ、首都直下地震、南海トラフ地震等の大規模広域災害時の被害を少なくするため、地域コミュニティにおける自助・共助による「ソフトパワー」を効果的に活用することが不可欠であるとしています。
C+Bousai vol1の他の記事
おすすめ記事
-
自社の危機管理の進捗管理表を公開
食品スーパーの西友では、危機管理の進捗を独自に制作したテンプレートで管理している。人事総務本部 リスク・コンプライアンス部リスクマネジメントダイレクターの村上邦彦氏らが中心となってつくったもので、現状の危機管理上の課題に対して、いつまでに誰が何をするのか、どこまで進んだのかが一目で確認できる。
2025/04/24
-
-
常識をくつがえす山火事世界各地で増える森林火災
2025年、日本各地で発生した大規模な山火事は、これまでの常識をくつがえした。山火事に詳しい日本大学の串田圭司教授は「かつてないほどの面積が燃え、被害が拡大した」と語る。なぜ、山火事は広がったのだろうか。
2025/04/23
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/22
-
帰宅困難者へ寄り添い安心を提供する
BCPを「非常時だけの取り組み」ととらえると、対策もコストも必要最小限になりがち。しかし「企業価値向上の取り組み」ととらえると、可能性は大きく広がります。西武鉄道は2025年度、災害直後に帰宅困難者・滞留者に駅のスペースを開放。立ち寄りサービスや一時待機場所を提供する「駅まちレジリエンス」プロジェクトを本格化します。
2025/04/21
-
-
大阪・関西万博 多難なスタート会場外のリスクにも注視
4月13日、大阪・関西万博が開幕した。約14万1000人が訪れた初日は、通信障害により入場チケットであるQRコード表示に手間取り、入場のために長蛇の列が続いた。インドなど5カ国のパビリオンは工事の遅れで未完成のまま。雨にも見舞われる、多難なスタートとなった。東京オリンピックに続くこの大規模イベントは、開催期間が半年間にもおよぶ。大阪・関西万博のリスクについて、テロ対策や危機管理が専門の板橋功氏に聞いた。
2025/04/15
-
BCMSで社会的供給責任を果たせる体制づくり能登半島地震を機に見直し図り新規訓練を導入
日本精工(東京都品川区、市井明俊代表執行役社長・CEO)は、2024年元日に発生した能登半島地震で、直接的な被害を受けたわけではない。しかし、増加した製品ニーズに応え、社会的供給責任を果たした。また、被害がなくとも明らかになった課題を直視し、対策を進めている。
2025/04/15
-
-
生コン・アスファルト工場の早期再稼働を支援
能登半島地震では、初動や支援における道路の重要性が再認識されました。寸断箇所の啓開にあたる建設業者の尽力はもちろんですが、その後の応急復旧には補修資材が欠かせません。大手プラントメーカーの日工は2025年度、取引先の生コン・アスファルト工場が資材供給を継続するための支援強化に乗り出します。
2025/04/14
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方