2016/06/10
【6月第1特集】 熊本地震の検証 6人の専門家に聞く“教訓をどう生かす?”
住まいの復興に必要な知識
熊本地震による熊本県内の住宅被害は、全壊、半壊、一部破損を含め7 万866 棟(5月10日現在)、大分県内は、半壊・一部破損を合わせて1028 棟(5月9日現在)に上る。今回の震災では、応急危険度判定について、赤色の貼紙を「倒壊の危険性がある」とするなど、誤った報道も相次いだ。すまいの復興に必要な知識について、長岡技術科学大学大学院准教授の木村悟隆氏に解説していただいた。

直下型地震は怖い。下からドーン。地鳴りがドドドと先になることもある。熊本地震の映像を見て、11年前の新潟県中越地震で被災した恐怖を思い出した。余震は長く続き、揺れ続ける大地の上で落ち着けなかった。熊本・大分の被災者も被害の大小によらず、眠れぬストレスを抱えていることと思う。
地震は予知できない。何の前触れも無くやってくる。揺れている時間は短い。その間何もできない。ふっと気が付くと周りの様子がすっかり変わっている。中越地震の時は冷静にいたつもりだが、本当にそうだっただろうか? 棚から物は落ちる。壁にヒビが入る。そんな様子をみてパニックになりがちだ。
片付ける前にやるべきこと
さて、揺れが収まると直ぐに片付けをする姿がテレビによく映る。大地震では、一寸待ってほしい。「片付け過ぎて公的支援が受けられなくなる」ことがあることを知ってほしい。これから公的支援や保険を活用するための大事なポイントをいくつか書いてみたい。
地震で被災地を訪れると、出会った方にいつも次の最初の3つあるいは4つのことを言うようにしている。
「慌てない」
「写真を撮る」
「領収書・レシートは何でもとっておく。捨てない」
「支援制度を調べる」
【6月第1特集】 熊本地震の検証 6人の専門家に聞く“教訓をどう生かす?”の他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/03/11
-
-
DXを加速するには正しいブレーキが必要だ
2月1日~3月18日は「サイバーセキュリティ月間」。ここでは、企業に押し寄せているデジタルトランスフォーメーション(DX)の波から、セキュリティーのトレンドを考えます。DX 時代のセキュリティーには何が求められるのか、組織はどう対応していくべきか。マクニカ ネットワークスカンパニー バイスプレジデントの星野喬氏に聞きました。
2025/03/09
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/03/05
-
-
-
トヨタが変えた避難所の物資物流ラストワンマイルはこうして解消した!
能登半島地震では、発災直後から国のプッシュ型による物資支援が開始された。しかし、物資が届いても、その仕分け作業や避難所への発送作業で混乱が生じ、被災者に物資が届くまで時間を要した自治体もある。いわゆる「ラストワンマイル問題」である。こうした中、最大震度7を記録した志賀町では、トヨタ自動車の支援により、避難所への物資支援体制が一気に改善された。トヨタ自動車から現場に投入された人材はわずか5人。日頃から工場などで行っている生産活動の効率化の仕組みを取り入れたことで、物資で溢れかえっていた配送拠点が一変した。
2025/02/22
-
-
現場対応を起点に従業員の自主性促すBCP
神戸から京都まで、2府1県で主要都市を結ぶ路線バスを運行する阪急バス。阪神・淡路大震災では、兵庫県芦屋市にある芦屋浜営業所で液状化が発生し、建物や車両も被害を受けた。路面状況が悪化している中、迂回しながら神戸市と西宮市を結ぶ路線を6日後の23日から再開。鉄道網が寸断し、地上輸送を担える交通機関はバスだけだった。それから30年を経て、運転手が自立した対応ができるように努めている。
2025/02/20
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方