セキュリティ文化の醸成と意識の高度化 ~2020年に向けて私たちにできること~
緊急事態に遭遇(2)病気の単語
痛みを表す外国語、役立ちます
Toki's SECURITY Lab./
平川 登紀
平川 登紀
旧姓・宇田川。映画『羊たちの沈黙』のFBI訓練生クラリスに憧れ渡米。ワシントン州立大学大学院で犯罪法学(Criminal Justice)の修士号を取得。帰国後、航空セキュリティ関連の財団法人で、空港保安検査員の研修や保安検査状況の監査を担当し、航空セキュリティに興味を持つ。2007年、東京大学大学院博士課程へ進学し、本格的に航空セキュリティマネジメントの研究をスタート(2011年単位取得満期退学)。2021年に佐賀県唐津市へ移住。現在、フィジカルセキュリティストラテジストおよび航空セキュリティ研究者として活動中。
平川 登紀 の記事をもっとみる >
X閉じる
この機能はリスク対策.PRO限定です。
- クリップ記事やフォロー連載は、マイページでチェック!
- あなただけのマイページが作れます。
自分が緊急事態に巻き込まれたら…という観点で、今月は言葉の重要性についてお話します。先月に引き続き、私の経験からの学びです。
来年の東京オリンピック・パラリンピックでは、一般の方々も外国人と話す機会が増えるでしょう。特に、ボランティアに申し込まれた方々にはぜひ読んでいただきたいと思います。
突然の胃痛
私は大学卒業後、犯罪法学を学ぶためにアメリカへ渡りました。アメリカでの生活に慣れてきたある日の夜、突然胃痛に襲われました。キリキリと刺すように痛い…。日本から持参してきた薬箱を初めて開けて胃薬を飲み、朝までなんとかがまんしようと思いました。しかし、痛みは増すばかり。どうしてもがまんできずに、夜中に大学内の病院へ向かいました。
初診だったので、いろいろ聞かれました。もちろん英語です。
いつから痛いのか?
どのように痛いのか?
何を食べたのか、飲んだのか?
何か薬を飲んだのか?
などなど。
急に痛み出したことと、前日に食べたものと飲んだものは伝えることができました。ですが、どう痛いのかと日本から持参してきた漢方薬については、どのように説明すればよいのかわかりませんでした。
「キリキリ痛む」とは英語で何というのか?
「漢方薬」とは英語で何というのか?
夜中に救急で病院へ行ったのですから、辞書の準備をしていけるほど冷静だったわけはありません。また今のようにスマホを持っていて、簡単に単語を調べられるような時代でもありませんでした。キリキリの説明を考えているうちにさらに胃が痛くなり、心配そうにしているドクターを前に「キリキリ」をただただ連呼していました。ドクターも「Kiri Kiri, Kiri Kiri, OK, OK」と言うしかない状況に…。まぁ、胃痛であることは伝えていたので、最後は無事に(?)処置をしてもらい、朝には胃痛もおさまりました。
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方