ゲームの解説をする永野海先生(撮影:あんどうりす)

無料ダウンロード可

このボードゲーム、無料でダウンロードでき、知識があれば、誰でも使っていいゲームです。支援者の方が理解すればするほど、広げられるというのがありがたいです。

支援者の方に体験していただきたくて、内閣官房国土強靭化推進室と協働の学習会「レジリ学園」で体験会を開いたのが6月18日です(終了後に地震のニュースが入りました)。

写真を拡大 レジリ学園について(内閣官房国土強靭化推進室 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/resilience/dai40/siryo4-2.pdf

ではどんなゲームだったかというと、まずは2枚同じものが置かれている下の用紙の1枚を、チョキチョキはさみで点線に沿ってカットすることから始めます。

写真を拡大 永野海先生のHPからダウンロードできます(http://naganokai.com/wp-content/uploads/2019/06/card.pdf

この大人同士で、無心にチョキチョキするのがいい感じでした。いつも防災関係の固い話をしている仲間も、一気に童心に帰っていくのがわかります。

でも、一枚一枚のカード、切りながら見てみると、カードゲームの「攻撃力」と「防御力」みたいなことが書いてあるんです。

こちらのカード見てください。

右側の「応急修理制度」。災害後、すぐ修理したいですよね。で、半壊以上だったら58万4000円まで支援金があるというので、これを使って支援金をもらいたくなります。

ところが、このカード、「使うと仮設住宅に入れない」という「防御力」が下がる制度なのです。

そして、あらためて考えてみると、屋根瓦がすべて落ちた、ベランダが落ちた、サッシの開閉が困難になったという様な事例が重なった半壊で、58万円強では正直、お金が足りないですよね。だから、このカード、意外と「攻撃力」も弱いんです。

「障害物の除去」も「仮設住宅に入れない」カードです。床上浸水の場合、障害物は除去したけど、断熱材が上部まで水を吸って、カビがひどくて結局住める状態ではなくなった…と、後から状況が変わる場合も考えられます。このカードのご利用は計画的に…って思ってしまいます。

でも、仮設住宅に行かなくても大丈夫なマンション防災にとって、これらのカードは、使えるカードになってきます。実際に、応急修理制度の58万4000円を個別の部屋の修理には使わず、管理組合で一括して集め、マンション全体の修理にあてることで早期の復興を果たしたマンションもあります。