「臨機応変に対応できた」が最多

「被災していない」との回答を除いた165件に絞って分析したところ、地震後の対応状況については、「BCPや災害対応計画で定めた通りにはいかないが、臨機応変に対応できている」が40.7%で最も多く、次いで「BCPや災害対応計画で定めた通り、速やかに対応できている」(32.7%)、「BCPや災害対応計画は策
定していないが臨機応変に対応できている」(13%)、と続き、おおむね順調に対応できているようである。「BCPや災害対応計画は策定しておらず、対応に手間取っている」は、わずか1.9%だった。

その他の5.6%については、「通常業務範囲内で対応できた」「災害対応までは行っていない」など。

顧客への製品・サービスが停止・遅延

何らかの被害があったと回答した人(全回答から「被災していない」を除いた165件)を対象に、自社の事業への影響を聞いたところ、「影響があった」は61.1%で、「影響はなかった」(35.8%)を大幅に上回った。

具体的に生じた影響については、「顧客への製品・サービス提供の停止・遅延」が41.4%で最も多く、次いで、「材料などの調達の停止・遅延」(27%)、「製品など出荷の停止・遅延」(26.1%)、「生産ラインの停止・遅延」(20.7%)、「従業員の不足」(15.3%)の順になった。「その他」としては、「倉庫内にある物は遅延ないように対処したが、以後に影響が出た」「お客様の施設被害への復旧対応へ支援」「顧客の設備機械の復旧の支援」「被災した取引先支援に人手を割いた」などがあった。

被災地にある企業と思われる回答者からは「危険認定され建屋に入れず近隣の支店から応援を受けて業務を継続中」「イベントやセミナーを中止」「従業員の水・食料の調達が困難」「従業員の避難状況の確認の遅れ」などの状況も報告された。

取引先の被災や施設・設備の被災が事業に影響

事業への影響が生じた詳細の理由について聞いたところ、「取引先の被災」が59.3%で最も多く、次いで「施設や設備の被災」(55.7%)、「交通事情(移動手段)の悪化」(47.2%)、「物流事情の悪化」(43.5%)、「従業員の被災」(36.1%)、「ライフラインの被災」(33.3%)といった回答が多かった。熊本
県の営業店舗が被災したとの回答者からは「従業員の一部が出勤できず、またビルの安全性を考慮し、数日間閉鎖した」との状況も寄せられた。