熊本地震の対応についての、危害防止のためのコメント【熊本地震】(5月6日のFBより)
室﨑 益輝
神戸大学名誉教授、ひょうご震災記念21世紀研究機構副理事長、兵庫県立大学防災教育研究センター長、ひょうごボランタリープラザ所長、海外災害援助市民センター副代表
2016/05/06
室﨑先生のふぇいすぶっく
室﨑 益輝
神戸大学名誉教授、ひょうご震災記念21世紀研究機構副理事長、兵庫県立大学防災教育研究センター長、ひょうごボランタリープラザ所長、海外災害援助市民センター副代表
熊本地震の対応についての、危害防止のためのコメントです。
(1)火災対策
地震後、不用意な火災が相次いでいます。ごみ収集車の火災が5件ほど発生しています。スプレーなど可燃物が入った容器をごみと一緒に捨てないようにしてください。
もう一つ、日本財団の黒澤さんからご指摘いただきました。倒壊した家屋に電気が通じたまま放置されていて、がれき状態の家の中で蛍光灯がついていたそうです。電気火災の危険がありますので、電力会社は、個別に見て回り電気を切るようにしてください。
(2)怪我対策
重機ボランテイアなどの尽力で、応急危険度判定で「危険」あるいは「注意」とされた建物にも、万全の安全対策を講じたうえで、被災者の気持ちに寄り添って、大切なものの取り出しなどが行われている。これについては素晴らしいことと感じている。
ただ、その一方で被災者が勝手に家の中に入り込んで後片付けをしているのが広範囲に見られた。落ちそうな瓦の下で子供も一緒になって掃除をしているのを見て、昨日はつい口をだしてしまった。震度5程度の余震が起きると、傾斜している家は倒壊するものと考えて、専門家の協力なしには家の中に入らないよう、被災者の皆さんと一般のボランテイアの皆さんには周知しなければならない。
室﨑先生のふぇいすぶっくの他の記事
おすすめ記事
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/12/24
能登の二重被災が語る日本の災害脆弱性
2024 年、能登半島は二つの大きな災害に見舞われました。この多重被災から見えてくる脆弱性は、国全体の問題が能登という地域で集約的に顕在化したもの。能登の姿は明日の日本の姿にほかなりません。近い将来必ず起きる大規模災害への教訓として、能登で何が起きたのかを、金沢大学准教授の青木賢人氏に聞きました。
2024/12/22
製品供給は継続もたった1つの部品が再開を左右危機に備えたリソースの見直し
2022年3月、素材メーカーのADEKAの福島・相馬工場が震度6強の福島県沖地震で製品の生産が停止した。2009年からBCMに取り組んできた同工場にとって、東日本大震災以来の被害。復旧までの期間を左右したのは、たった1つの部品だ。BCPによる備えで製品の供給は滞りなく続けられたが、新たな課題も明らかになった。
2024/12/20
企業には社会的不正を発生させる素地がある
2024年も残すところわずか10日。産業界に最大の衝撃を与えたのはトヨタの認証不正だろう。グループ会社のダイハツや日野自動車での不正発覚に続き、後を追うかたちとなった。明治大学商学部専任講師の會澤綾子氏によれば企業不正には3つの特徴があり、その一つである社会的不正が注目されているという。會澤氏に、なぜ企業不正は止まないのかを聞いた。
2024/12/20
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方