第5回:BCPのベースとなる防災・減災対策のあり方(その2)
社内に潜むリスク把握を
BCP策定/気候リスク管理アドバイザー、 文筆家
昆 正和
昆 正和
企業のBCP策定/気候リスク対応と対策に関するアドバイス、講演・執筆活動に従事。日本リスクコミュニケーション協会理事。著書に『今のままでは命と会社を守れない! あなたが作る等身大のBCP 』(日刊工業新聞社)、『リーダーのためのレジリエンス11の鉄則』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『山のリスクセンスを磨く本 遭難の最大の原因はアナタ自身 (ヤマケイ新書)』(山と渓谷社)など全14冊。趣味は登山と読書。・[筆者のnote] https://note.com/b76rmxiicg/・[連絡先] https://ssl.form-mailer.jp/fms/a74afc5f726983 (フォームメーラー)
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■IT・OA機器・備品類の防災リスク・チェック
いわゆる「基幹システム」とか「基幹サーバー」と呼ばれている重要なIT機器については、地震の衝撃でサーバーが転倒したり、クラッシュしたり、机上からずり落ちないようにラックに収納すること。
コピー機やファクシミリ(複合機等を含む)の中には将棋台のように重くて安定した形状のものもあるが、大きな地震で揺さぶられると簡単に移動したり台上からずり落ちてしまう。可動式の場合はいつもストッパーをかけておく、かたわらにパーテーションや机などがあればそれらとバンドなどでつなぎ止めておくことで、位置ずれや移動、落下を防ぐことができる。
次に「ファイルキャビネット・書棚・ロッカー」の類。最近のオフィスは椅子に腰かけたとき目線の高さでフロアの隅々まで見渡せるような低いレイアウトになっているものがほとんどである。また、書類棚などは壁に扉付きで収納できるようになっていて地震の際も書類等が崩れ落ちる心配がない。こうしたオフィスの進化は防災上もたいへん好ましいことだ。
よってファイルキャビネット・書棚・ロッカーの防災・減災対策は、こうした安全な措置がとられておらず、転倒や落下の危険のある場所が対象となる。例えば重いスチール棚などはL字型金具やボルトなどで固定する、棚からモノがずり落ちない工夫としてネットやバンドなどを使用する(部品棚など)、収納バランスを習慣づける(高い位置に軽い物/低い位置に重い物など)、あるいは思い切って撤去することなどが必要だろう。
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