高槻市では、倒壊したブロック塀により登校中の小学生が死亡した(写真:一般財団法人消防防災科学センター)

大阪北部地震は2018年6月18日の早朝7時58分に起こりました。大阪府の北部で最大震度(震度6弱)を観測した大阪市・高槻市・枚方市・茨木市・箕面市の5市は特に痛手を受けました。これに豊中市を加えた6市について、今回、「学校給食」に照準を合わせて、曇りガラスの小窓から、その実態をのぞいてみようと思います。さらに、「災害時の小学校の休校」についても取材し、休校と学校給食の関連性について探ってみました。6市の教育委員会(給食担当)の窓口に電話取材(2019年3月25日)した結果を織り込んで報告いたします。

小学校の子どもの数を見てみましょう。例えば豊中市(人口40万5463人)には、小学校41校があり、人口の5%に当たる約2万人の児童がいます。1校当たりの人数が1000人以上は2校、700人以上1000人未満は7校、500人以上700人未満は11校、300人以上500人未満は14校、200人以上300人未満は7校です。規模の大きい学校もありますね。この児童たちは、市が作った統一献立で同じ給食を食べています。給食は大事業です。

どんな献立なのでしょうか? 主食(ご飯とパン)、おかず(2~3品)、ミルク(200cc)の3点セットです。これを「完全給食」と呼びます。しかし、今回のような災害時には簡易給食(単品の組み合わせ。例えばパンと牛乳など)になった学校もあります。では、給食は、どこで誰が作っているのでしょうか? 各学校には給食室(給食を作る調理場)があります。調理は以下の3つの方法でされています。

① 自分の校舎で調理する(自校方式という)。
② 給食センターという施設で作り、出来上がった調理品を配送車で各学校に配送する。
③ 自校方式で学校の調理場を使うが、給食担当者は自校の職員ではなく外部委託する。

さて、いったん災害が発生すると、給食調理に困難な事情が生じ事態は一変します。