2019/04/26
防災・危機管理ニュース
東京都は2020年東京オリンピック・パラリンピック期間中の交通混雑緩和に注力している。都のほか内閣官房、大会組織委員会と共に行っている「2020TDM推進プロジェクト」では企業にチェックリストを知らせ、大会期間中の行動計画の作成を促している。また都では大会前の都内の従業員30人以上の企業のテレワーク導入率35%を目指し、未導入企業への無料コンサルティングやトライアル導入経費の全額補助を行う。
大会期間中、何も対策が取られなかった場合は首都高速道路の渋滞が約2倍に悪化すると言われており、鉄道利用者は約1割増加することが見込まれている。2020TDM推進プロジェクトでは混雑緩和への協力を呼びかけており、ホームページやパンフレットにチェックリストを掲載。ホームページ上にある、大会期間中の道路や鉄道の混雑予測である「大会輸送度影響マップ」も活用し、競技会場近くに事業所や取引先がある、高速道路を利用する、宅配便をよく使うといった事業への大会の影響度をチェック。そのうえで時差出勤やテレワークの導入、事前に在庫を多く持っておくほか、混雑時間を避けた配送など大会中の行動計画を作成するよう呼びかけている。
都では26日、新たなテレワーク導入支援策も発表した。「ワークスタイル変革コンサルティング」として、テレワーク導入を検討する企業に業務改善やICTの専門家を無料で派遣する。テレワーク導入に取り組む業界団体などに会員企業へのコンサルティングに要する費用について3000万円を上限に全額補助する。これらを通じコンサルティングを受けた企業がトライアルとしてテレワークを導入する際、全額を補助する。コンサルティングを通じ、必要な設備をパッケージ化し、社労士の手助けなどで制度整備を進める金額を算出。従業員の規模によって40万~110万円を上限に全額補助を行う。コンサルティングと業界団体への補助は26日、トライアル導入経費の補助は5月29日に募集開始する。
さらに商工団体や金融機関など、企業と接点が多く支援も行っている団体や機関を対象に「TOKYOテレワーク推進デスク」の設置者を募集する。デスクでは顧客や会員企業にリーフレットの配布やデジタルサイネージなどで都のテレワーク関連事業を紹介するほか、普及啓発セミナーや個別相談会の実施も見込んでいる。募集期間は26日から2020年3月31日まで。50カ所程度の規模を見込んでいる。
都が従業員30人以上の都内企業1964社にテレワークについて調査したところ、「導入している」19.2%、「具体的に導入予定・導入検討中」21.0%、「導入予定なし」59.8%だったという。小池百合子知事は26日の記者会見で、五輪前にこの規模の都内企業のテレワーク導入率35%を目指すとし、「2020年大会のレガシーが柔軟で多様な働き方だったと言われるようにしたい。広く中小企業に呼びかける」と述べた。都では既に大会期間中に本庁職員の半数にあたる約5000人がテレワーク利用や時差出勤などを行う「都庁2020アクションプラン」を公表している。
■ニュースリリース・資料はこちら
2020TDM推進プロジェクト・チェックリスト
https://2020tdm.tokyo/pdf/smooth_biz2.pdf
都内企業のテレワーク導入支援3事業 募集開始
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/04/26/08.html
TOKYOテレワーク推進デスク設置者を募集
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/04/26/09.html
■関連記事
都本庁職員半数が五輪中オフピーク出勤
https://www.risktaisaku.com/articles/-/16674
五輪で通勤や物流の混雑対策、企業は必須
https://www.risktaisaku.com/articles/-/10310
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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