ローリングストックとは何でしょう? これ英語(rolling stock)ですよね。なぜ、こんな言葉が突然現れたのでしょうか。きっかけは、南海トラフ巨大地震という大型災害がやって来るということからです。3日分の飲食物の備蓄では心配だということで、備蓄の推奨期間が急に「1週間以上」へと変わりました。ご存じない! 以前は3日以上でしたが、今は1週間以上なのです(内閣府・南海トラフ巨大地震対策・最終報告書2013)。
でも、わざわざ英語を使って、「これ何?」と大騒ぎしなくても、昔から立派な「日本語」があります。あなたが、いつも家庭でやっている「買い置き」です。ほら、トイレットペーパーですよ。少し余分に買い置きしていますよねえ。うっかり忘れたら「おおごと」なので、いつも残りの量を気にしています。ただ、トイレットペーパーには賞味期間がなく、飲食物の備蓄とはちょっと違います。では、「ローリング」「ストック」と単語に分けて詳しく見ていきましょう。まずは「ストック」から。この順番の理由は後ほど説明します。
「ストック」には裏ワザが!
災害時はライフラインが止まり、飲食料品店、外食店が閉まります。飲食物の生産、流通も止まりそれらの入手が困難になります。お金があっても買うことができません。それに、災害復旧には時間がかかります。自衛のために各自「飲食物の備え」が「不可欠」です。これをストックといいます。具体的には、普段の飲食物とは「別」に災害用として買い、「別」に置いておく、この「別に」が重要です。
■ストックのポイント
・常に一定量(1週間分以上)を置いておく。
・賞味期限は半年程度(家庭)を目安にする。
・賞味期限切れにしないように注意する
・室温で保存できる物を置いておく(冷蔵庫は倒れたり、扉が開いて中身が散乱、つぶれたりして使用不能になる場合があり、当てにならない)。
・置いておく物:自分の好きな物、普段食べ慣れている物、栄養のバランスが取れる物、ある程度の満腹感が得られる物。「主食」「おかず:野菜」「おかず:魚や肉」「おやつ」「飲み物」の5つをまんべんなくそろえる。
・災害発生から1週間(ライフラインが止まり、余震も多い時期)をめどに備蓄したものを食べる。開封したら「調理なしで即、食べることができるもの」が望ましい。缶、レトルト、フイルム包装など。
・賞味期間が同日にならないよう、買い方に工夫。同じ日に買うと賞味期間が同じ日に切れてしまう(備蓄量が多くなると避けられない)。それを避けるには、どうしてもローリングという発想が必要。
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