2019/03/28
ニュープロダクツ
日本ガイシは非常用電源にも使えるNAS電池の導入事業を行っている。27日、福岡県北九州市の競艇場「ボートレース若松」への導入を発表。停電リスクを回避してナイター競艇を開催する。
NAS電池はマイナス極にナトリウム、プラス極に硫黄、両電極を隔てる電解質にファインセラミックスを用いた蓄電池。硫黄とナトリウムイオンの化学反応で充放電を繰り返す。鉛蓄電池の約3倍の高いエネルギー密度があり、コンパクトにできるのが特徴。実用化しているのは世界で日本ガイシのみとなっている。
ボートレース若松では2004年にNAS電池を導入しており、今回は全国で初のNAS電池設備の更新となる。若松ではナイター競艇を開催しており、落雷などで停電があり照明が消えた場合、重大な事故を起こす可能性がある。このため、系統電力とは切り離し、大容量のNAS電池から電力を供給することで停電リスクを回避する。定格出力は1600kW、定格容量は9600kWh。パワーコンディショナーは明電舎製が更新されている。
NAS電池は全世界約200カ所で導入。災害時など非常用電源としてのほか、系統電力への負担を緩和するため再生可能エネルギーの安定化のための蓄電池としても利用されているという。
■ニュースリリースはこちら
https://www.ngk.co.jp/news/20190327_10478.html(日本ガイシ)
http://www.meidensha.co.jp/news/news_03/news_03_01/1230559_2469.html(明電舎)
(了)
防災・危機管理関連の新製品ニュースリリースは以下のメールアドレスにお送りください。risk-t@shinkenpress.co.jp
リスク対策.com:斯波 祐介
ニュープロダクツの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/12/24
-
-
-
能登の二重被災が語る日本の災害脆弱性
2024 年、能登半島は二つの大きな災害に見舞われました。この多重被災から見えてくる脆弱性は、国全体の問題が能登という地域で集約的に顕在化したもの。能登の姿は明日の日本の姿にほかなりません。近い将来必ず起きる大規模災害への教訓として、能登で何が起きたのかを、金沢大学准教授の青木賢人氏に聞きました。
2024/12/22
-
製品供給は継続もたった1つの部品が再開を左右危機に備えたリソースの見直し
2022年3月、素材メーカーのADEKAの福島・相馬工場が震度6強の福島県沖地震で製品の生産が停止した。2009年からBCMに取り組んできた同工場にとって、東日本大震災以来の被害。復旧までの期間を左右したのは、たった1つの部品だ。BCPによる備えで製品の供給は滞りなく続けられたが、新たな課題も明らかになった。
2024/12/20
-
企業には社会的不正を発生させる素地がある
2024年も残すところわずか10日。産業界に最大の衝撃を与えたのはトヨタの認証不正だろう。グループ会社のダイハツや日野自動車での不正発覚に続き、後を追うかたちとなった。明治大学商学部専任講師の會澤綾子氏によれば企業不正には3つの特徴があり、その一つである社会的不正が注目されているという。會澤氏に、なぜ企業不正は止まないのかを聞いた。
2024/12/20
-
-
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方