応急危険度判定の赤=「全壊」とは限らない

被災建物応急危険度判定(応急危険度判定)とは、自治体の地域防災計画などに基づき、地震後に実施される調査のひとつです。建築の専門家(応急危険度判定士)が、被災地域の建物に、余震等による倒壊や壁の落下の危険性等がないかを判定するものです。

「危険」(赤)、「要注意」(黄色)、「調査済」(緑)のと記載されたステッカー(貼り紙)が、初めてその場を訪れた行政担当者はボランティア等にもわかりやすいように、直接建物などに貼り付けられます。

あくまで二次被害を防止するために行われるものです。後日の修繕や養生措置によって危険を回避できる場合もあります。すなわち、応急危険度判定で「危険」(赤)と判定された住家が、必ずしも罹災証明書において「全壊」「大規模半壊」「半壊」などに認定されるとは限りません。

たとえば、一見してダメージのない建物でも、隣家の倒壊に巻き込まれる危険があると判断されれば、「危険」の赤い紙が貼り出される場合があります。これらのステッカー(貼り紙)は、罹災証明書や損害保険会社の認定とは異なることを知っておきましょう。

写真を拡大 被災建物応急危険度判定の結果を示すステッカー(出典:全国被災建築物応急危険度判定協議会)

なお、応急危険度判定で使用されるステッカーの様式や、制度の詳細については「一般社団法人日本建築防災協会」の「全国被災建築物応急危険度判定協議会」のページに掲載されていますので、ご参照ください。
http://www.kenchiku-bosai.or.jp/assoc/oq-index/

(了)