著者別連載一覧
岡本 正
銀座パートナーズ法律事務所パートナー弁護士。博士(法学)。内閣府上席政策調査員、日弁連災害対策本部嘱託室長、原子力損害賠償紛争解決センター総括主任調査官等を歴任した。東日本大震災を契機に災害復興政策や防災危機管理分野に携わり、4万件を超えるリーガルニーズ分析を踏まえた「災害復興法学」を創設。岩手大学地域防災研究センター客員教授、慶應義塾大学・青山学院大学講師等も務める。BCPの浸透や生活再建の法制度知識の備えの重要性を説き、産学官の防災教育・研修に数多く携わっている。防災冊子『被災後の生活再建のてびき』(東京法規出版)や防災文具『生活のソナエ袋』(銀座嶋屋)などを監修。
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「災害復興法学」のすすめ
「防災・減災を自分ごと」にしてほしいという願いからはじまった本連載も、今回が最終回となりました。被災者を支援する法律はあるのに、知られていない、利用しにくいなどの理由から十分な支援ができないケースは多々あります。ならば既存の法律や制度の改善が必要で、連載のベースとなった「災害復興法学」はそのための学問です。防災や復興においても「法律」「政策」が重要なファクターになることに興味を持っていただけたら本望です。
2020/03/11
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巨大災害時の共通のリーガル・ニーズを知っておこう
熊本地震は、地震や土砂災害で直接亡くなった方が50名であるのに対し、災害後に過酷な避難生活などが影響で亡くなった「災害関連死」が200名以上に及んでいます。原因のひとつは、東日本大震災における実績や教訓が熊本地震の現場に引き継がれなったこと。たとえば、東日本大震災における避難所環境改善の実績が災害救助制度に反映されなかったことで、自治体の備蓄や防災の知恵につながらなかったことは、残念でなりません。
2020/02/19
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「支援制度があること」の周知自体が重要な支援
2011年3月、東日本大震災が発生した当初、弁護士もまた現場の被災者の声を聞き、少しでも役立つ情報を提供しようと必死になっていました。私は、この膨大な被災者の声を「視覚化」して、記録に残し、広く政策提言に活用すべきではないかと考えました。ひとりの弁護士として日弁連にかけあい、2011年4月から日弁連の災害対策本部室長として相談事例の分析を担うことになりました。
2020/02/12