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スーパーの店頭には、まず果物、野菜売り場があり、奥に魚や肉の売り場が続きます。なぜ野菜が入り口近くにあるのでしょうか? 多分、献立を考えるときの決め手が、まずは「野菜」ということなのでしょう。野菜が「主役」なのは、買い求める分量で野菜が一番多いからです。

「いや、自分は違う」という方は、健康の方向指示器が故障しているのかもしれません。野菜は「1日350グラム必要」と言われていますが、肉や魚は何グラム必要か知らない人が多いようです。ざっと1日100~140グラム程度、魚なら切り身1つで野菜の3分の1程度です。“野菜”という文字は「野に生えていて食べられる植物」を意味します。

献立を立てるとき、野のモノ、山のモノ、海のモノを組み合わせると健康になると古くから言われています。日本料理の基本は「一汁三菜」と言われています。この考え方は野菜を多くとるための知恵です。汁(中身の多くは野菜)と2皿を合わせて野菜3つ、魚か肉は一皿です。野菜が魚・肉の3倍も多いのは、健康を保つために欠かせないからです。では、健康面で野菜はどんな役割をしているのでしょうか? 一言で言えば体調を整え、元気を出させているのです。具体的にはビタミンA、C、ミネラルそれに食物繊維などを体に与えてくれます。

ところが、いったん災害が起こると、店は閉まり野菜を買い求めることができません。おまけにライフラインがストップするため、野菜は「洗えない、煮炊きができない、冷蔵庫に保管できない。せっかく料理しても水分が多いので腐りやすく、弁当などに入れにくい」のです。「やれやれ! かなわんなあ」と嘆いている間に健康は次第にむしばまれていきます。「体調を崩す」「便秘になる」「風邪などの感染症にかかりやすい」「避難所暮らしが長引くせいで症状が慢性化する」……。
「最悪、病が深刻化して死に至る(二次災害)」ということになりかねません。