【ベルリン時事】ロシア軍は21日、キリスト教の復活祭(イースター)に合わせて、プーチン大統領が一方的に宣言したウクライナでの「停戦」期間の終了後、再び攻撃を本格化させた。期間中は長距離攻撃が手控えられたもようで、ウクライナのゼレンスキー大統領は停戦延長を申し出ていたが、不発に終わった。
 南部ヘルソン州のプロクジン知事は21日、通信アプリ「テレグラム」で、ドローン攻撃を受けて高齢女性が死亡したと発表した。現地メディアによると、ミコライウ州もミサイル攻撃を受けた。
 プーチン氏は19日、現地時間21日午前0時(日本時間同6時)までの30時間について、戦闘を停止すると一方的に宣言。トランプ米大統領は和平交渉が難航する中、仲介離脱を示唆しており、ロシアとして和平に前向きな姿勢をアピールする狙いだったとみられる。
 しかしゼレンスキー氏は、「停戦」中も重火器による砲撃やドローン使用などが2935件に上ったと批判。「行動は言葉よりも雄弁だ」と述べ、プーチン氏が真剣に和平に取り組む考えはないとの見方を改めて示した。 
〔写真説明〕20日、ウクライナ西部リビウ州の軍人墓地で戦死者を弔う人(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)