帝国ホテルなど東京都内の高級ホテルを運営する15社が、価格カルテルにつながる恐れがある客室単価などの情報を共有していたとして、公正取引委員会が独禁法違反(不当な取引制限)の疑いで警告を出す方針を固めたことが17日、関係者への取材で分かった。

 既に各社に警告案を通知しており、意見を聴取した上で最終的に判断する。

 コロナ禍後、インバウンド(訪日客)急増などでホテルの宿泊料金は高騰。公取委は、警告を出すことで早期是正を促す。

 15社は帝国ホテルのほか、ニュー・オータニ、京王プラザホテル、ホテルオークラ東京、パレスホテル、西武・プリンスホテルズワールドワイド、藤田観光など。

 関係者によると、15社の営業担当者は毎月会合を開き、客室の稼働率や平均単価など各社の内部情報を共有。会合は担当する社が場所を提供し、数十年前から行われていたとみられる。現在は開催されていないという。

 公取委は、各社が会合を通じて宿泊料金の維持や引き上げをしていたとまでは確認できないものの、各社間の情報共有が宿泊料金に影響を及ぼした可能性があるとみている。 

 警告は公取委による行政指導で、違反の恐れがある行為の取りやめや再発防止を業者側に求める。公取委は、独禁法違反を認定するまで調べを進めるより、警告を出すことで早期是正を図る必要があると判断したもようだ。

 

 ◇警告対象となった15社が運営するホテル(五十音順)

 浅草ビューホテル
 グランドニッコー東京台場
   京王プラザホテル
 ザ・プリンスパークタワー東京
 シェラトン都ホテル東京
 The Okura Tokyo
 セルリアンタワー東急ホテル
 第一ホテル東京
 帝国ホテル東京
 ハイアットリージェンシー東京
 パレスホテル東京
 ホテル椿山荘東京
 ホテルニューオータニ
 ホテルメトロポリタン(池袋)
 ロイヤルパークホテル

(了)

(ニュース提供元:時事通信社)