2025/03/30
防災・危機管理ニュース
【バンコク時事】大規模地震が発生したミャンマーで、第2の都市マンダレーに住む日本人の成人1人と連絡が取れなくなっていることが30日、分かった。日本の外務省が明らかにした。居住する建物が倒壊しており、巻き込まれた可能性があるとして、在ミャンマー日本大使館が現地当局に捜索と救助を要請した。ミャンマー国軍によると、同国内の死者は約1700人となった。
28日の地震で、ミャンマーでは震源に近い中部のマンダレーやザガイン地域のほか、首都ネピドーや北東部シャン州など広範囲に被害が出た。資機材の不足や道路寸断のため、救助活動が難航している地域もある。国軍は負傷者約3400人を確認。国営テレビによると、国軍トップのミンアウンフライン総司令官は「犠牲者はさらに増加するだろう」と述べた。
ザガイン地域などは国軍と抵抗勢力の戦闘が激しいが、民主派組織「国民統一政府(NUG)」は29日、救助活動を優先するため傘下の武装組織が30日から2週間、軍事作戦を停止すると発表。「われわれの支配地域では国連や国際NGOと協力し、救助活動や医療キャンプの設置を確保する。国軍の支配地域では、安全が保証されれば緊急援助を提供する」と表明した。
国軍は国際社会に幅広く援助を要請する異例の声明を出したが、中国やロシアなど友好国以外からの支援がどの程度認められるかは不透明だ。
各地で救助活動が続いているが、独立系メディアは、重機がなく救急隊員らが手などでがれきを除去する様子を報道。国連人道問題調整事務所(OCHA)は29日、「通信環境の混乱や道路の損傷が人道支援活動を妨げている」と報告した。
隣国タイの首都バンコクで建築中のビルが崩壊した現場では、30日も捜索が続いた。70人以上が安否不明となっており、がれきの中にいる人を傷つけないよう慎重に作業が進められている。タイでは、ビル崩壊などで計18人が死亡した。
〔写真説明〕30日、バンコクのビル倒壊現場で救助作業を見守る安否不明者の家族や友人ら(EPA時事)
〔写真説明〕29日、ミャンマー中部マンダレーで、崩壊した建物に取り残された生存者を捜索する救助隊員ら(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)


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