昨年の能登半島地震で被災した石川県輪島市の山間集落、別所谷町の住民が27日、市役所を訪れ、市街地への集団移転を要望した。地区の再建見通しが立たないことや再度の災害リスクを考慮した。市によると、集落ごと市街地への移転を要望したのは能登の被災地では初めて。
 別所谷町は地震で電気や水道などのライフラインが寸断。昨年9月の豪雨でも被害を受け、地震当時約40世帯、80人程度いた住民は、市内の仮設住宅や市外に離散した。
 要望で丹保真一区長(67)は「地区では将来的に自助、共助が困難になり、災害で再び孤立すれば深刻な事態が生じる」と指摘。住民の総意として、コミュニティーを維持したままの移転を求めた。 
〔写真説明〕輪島市の坂口茂市長(手前)に集落の集団移転を要望する同市別所谷町の丹保真一区長(右)=27日、石川県輪島市

(ニュース提供元:時事通信社)