2025/01/27
防災・危機管理ニュース
【エルサレム時事】パレスチナ自治区ガザで27日、住民の北部への帰還が始まった。イスラム組織ハマスがイスラエルの要求する人質の解放に応じる見通しとなったことを受け、イスラエル政府が帰還を認めた。AFP通信はガザ当局者の話として、61万5000~65万人が移動を計画しているとの見方を伝えているが、大規模な帰還が順調に進むかは不透明な要素も強い。
中東の衛星テレビ局アルジャジーラがガザから中継した映像では、地中海に面した道路が帰還を目指す住民で埋め尽くされていた。北部ベイトハヌンに帰るという男性は「家は破壊されて跡形もないが、思い出が詰まった場所に帰れる」と喜びの表情を浮かべた。
イスラエルとハマスの戦闘で避難を余儀なくされていた住民らの帰還は、19日の停戦発効を受け、当初25日にも始まるとみられていた。しかし、ハマスが同日解放した人質の中に予定されていた民間人女性が含まれておらず、イスラエルは「合意違反だ」と反発。「この民間人女性が解放されるまで住民の帰還を認めない」と態度を硬化させた。
イスラエル首相府によると、ハマスはその後、この民間人女性を含む3人を30日に解放することに同意。6週間の停戦期間中に引き渡す予定の人質の情報もイスラエル側に提供した。ハマスの譲歩を受け、ネタニヤフ政権は住民帰還に応じる姿勢に転じた。
〔写真説明〕27日、パレスチナ自治区ガザ北部へ向かって帰還する住民ら(ロイター時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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