2024/12/03
防災・危機管理ニュース
野村証券は3日、元社員(懲戒解雇)が顧客に対する強盗殺人未遂などの罪で起訴された事件を受け、奥田健太郎社長(野村ホールディングスグループ最高経営責任者)が役員報酬30%を3カ月分、自主返上すると発表した。他の役員9人も報酬20~30%を3カ月分返上。元社員の管理者は厳正処分した。
大手証券社員が営業行為に絡む重大事件で起訴されるのは極めて異例。事態を重視し、役員の責任を明確化した。
奥田氏は東京都内の本社で記者会見し「被害者、多くの関係者に深くおわびする」と謝罪。「(顧客には)信頼して取引いただいており、絶対にあってはならない事態だ」と述べた。ただ、辞任について問われると「考えていない」と否定した。事件後、奥田氏が会見を開くのは初めて。
野村証券によると、元社員は2018年4月に新卒で入社し、22年4月から広島支店で営業を担当。今年7月下旬に顧客だった広島市の高齢夫婦宅に放火して現金を奪ったとして、強盗殺人未遂と現住建造物等放火の罪で逮捕、起訴された。
事件当時は承認を得ずに休日、顧客宅を訪問していた。元社員が担当していた200超の証券口座で被害は確認できなかったという。
同社は再発防止策を発表。顧客宅訪問時の管理職による顧客への確認、社貸与の携帯電話のモニタリング強化などを徹底するとした。
野村証券は、国債先物取引で相場操縦を行ったとして金融庁から10月末に課徴金納付命令を受けるなど不祥事が相次いでいる。事案の続発について奥田氏は「真摯(しんし)に受け止めている」と語った。
〔写真説明〕記者会見の冒頭、頭を下げる野村証券の奥田健太郎社長(左から2人目)ら=3日午後、東京都千代田区
〔写真説明〕記者会見で厳しい表情を見せる野村証券の奥田健太郎社長=3日午後、東京都千代田区
(ニュース提供元:時事通信社)
- keyword
- レピュテーション
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/12/05
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/12/03
-
パリ2024のテロ対策期間中の計画を阻止した点では成功
2024年最大のイベントだったパリオリンピック。ロシアのウクライナ侵略や激化する中東情勢など、世界的に不安定な時期での開催だった。パリ大会のテロ対策は成功だったのか、危機管理が専門で日本大学危機管理学部教授である福田充氏とともにパリオリンピックを振り返った。
2024/11/29
-
-
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方