2024/11/07
防災・危機管理ニュース
ロシアとウクライナは、トランプ政権復活で国際環境が流動化することも視野に、戦場で優位に立つべく攻防を激化させている。民主党による「現状維持」、共和党が促す「即時停戦」のいずれのケースでも、自国に有利な条件を積み重ねることがカギを握るからだ。
ウクライナは今夏、ロシア西部クルスク州の国境地帯を占領する越境作戦に打って出たが、戦局転換には程遠い。ゼレンスキー大統領は9月の訪米でハリス、トランプ両氏とそれぞれ会談。支援に消極的とされるトランプ氏の復帰にも備えた。
ゼレンスキー氏は6日、ロシアに先んじる形でトランプ氏に祝意を表明。「力による平和」を求める立場は共有していると指摘した上で「超党派の強力な支援が継続されるよう期待している」と注文を付けた。
一方、プーチン政権は、国際社会が北朝鮮による派兵に目を奪われる間に、正規軍をウクライナ東部へ集中的に投入し、占領地を急速に拡大。米次期政権に「戦場の現実」を見せつける狙いだ。
米ロ間には核兵器管理を含む難題も横たわる。プーチン大統領は10月の記者会見で、関係正常化は「新政権の選択だ」と述べ、米側の出方を見守る姿勢を示した。
ロシアの有力メディアRBKは6日、米FOXテレビを引用する形で、早々にトランプ氏勝利の見通しを伝え、関心の高さをうかがわせた。ペスコフ大統領報道官は記者団に対し、プーチン氏が祝意を示す予定については分からないと発言。米国が「わが国に対する戦争に関与している非友好国」であることを理由に挙げた。
〔写真説明〕トランプ前米大統領=6日、フロリダ州ウェストパームビーチ(EPA時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/22
-
帰宅困難者へ寄り添い安心を提供する
BCPを「非常時だけの取り組み」ととらえると、対策もコストも必要最小限になりがち。しかし「企業価値向上の取り組み」ととらえると、可能性は大きく広がります。西武鉄道は2025年度、災害直後に帰宅困難者・滞留者に駅のスペースを開放。立ち寄りサービスや一時待機場所を提供する「駅まちレジリエンス」プロジェクトを本格化します。
2025/04/21
-
-
大阪・関西万博 多難なスタート会場外のリスクにも注視
4月13日、大阪・関西万博が開幕した。約14万1000人が訪れた初日は、通信障害により入場チケットであるQRコード表示に手間取り、入場のために長蛇の列が続いた。インドなど5カ国のパビリオンは工事の遅れで未完成のまま。雨にも見舞われる、多難なスタートとなった。東京オリンピックに続くこの大規模イベントは、開催期間が半年間にもおよぶ。大阪・関西万博のリスクについて、テロ対策や危機管理が専門の板橋功氏に聞いた。
2025/04/15
-
BCMSで社会的供給責任を果たせる体制づくり能登半島地震を機に見直し図り新規訓練を導入
日本精工(東京都品川区、市井明俊代表執行役社長・CEO)は、2024年元日に発生した能登半島地震で、直接的な被害を受けたわけではない。しかし、増加した製品ニーズに応え、社会的供給責任を果たした。また、被害がなくとも明らかになった課題を直視し、対策を進めている。
2025/04/15
-
-
生コン・アスファルト工場の早期再稼働を支援
能登半島地震では、初動や支援における道路の重要性が再認識されました。寸断箇所の啓開にあたる建設業者の尽力はもちろんですが、その後の応急復旧には補修資材が欠かせません。大手プラントメーカーの日工は2025年度、取引先の生コン・アスファルト工場が資材供給を継続するための支援強化に乗り出します。
2025/04/14
-
新任担当者でもすぐに対応できる「アクション・カード」の作り方
4月は人事異動が多く、新たにBCPや防災を担当する人が増える時期である。いざというときの初動を、新任担当者であっても、少しでも早く、そして正確に進められるようにするために、有効なツールとして注目されているのが「アクション・カード」だ。アクション・カードは、災害や緊急事態が発生した際に「誰が・何を・どの順番で行うか」を一覧化した小さなカード形式のツールで、近年では医療機関や行政、企業など幅広い組織で採用されている。
2025/04/12
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方