【パリ時事】スペイン東部バレンシア自治州の災害対策本部は31日、記録的な洪水による州内の死者が155人に達したと発表した。近隣2州で確認された3人の死者を含め、犠牲者は計158人となった。ただ、トレス地域政策相は記者会見で「何十人もの不明者」がいると明らかにしており、犠牲者はさらに増える可能性がある。
 31日から3日間は国民の服喪期間。バレンシア州の市街地は豪雨で発生した濁流にのまれ、泥とがれきにまみれている。路上には水没したり横転したりした乗用車やトラックが連なっており、停電の解消、通信や鉄道の復旧には時間がかかる見込みだ。
 地中海沿岸のバレンシア市郊外は犠牲者が多かった地区。21歳の男性は「水位が上昇し始めると(濁流が)波になって押し寄せた。津波のようだった」と水害の様子を英BBC放送に語った。 
〔写真説明〕31日、洪水の被害を受けたスペイン東部バレンシア自治州で冠水した道路を歩く人々(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)