経済産業省は22日、産業構造審議会(経産相の諮問機関)の有識者会議で、2040年を目標とした成長シナリオを示した。現在100兆円程度の国内民間投資を官民が目標とする200兆円に引き上げれば、名目GDP(国内総生産)は21年度比で約1.8倍の975兆円に成長。平均名目賃金も1時間当たり5366円と、同2倍近くに上昇すると試算した。
 国内民間投資を倍増させる目標は今年1月の官民連携フォーラムで経団連が示した。目標達成には年4%ずつ設備投資を拡大させる必要があり、政府に規制改革やインフラ整備の推進、企業には脱炭素やデジタルトランスフォーメーション(DX)関連投資の拡大を呼び掛けた。
 成長シナリオでは、ロボットなどへの投資が順調に増加すれば、1人あたりの労働生産性が向上し、人口が減る中でも成長が実現すると見込む。試算によると、名目GDPは年3.1%の成長、平均名目賃金は年3.3%の上昇を見込む。 
〔写真説明〕東京都内の道路を横断する歩行者=2月17日(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)