【北京時事】中国メディアによると、北京市内の小学校の校門前で28日午後、児童や保護者が切り付けられ、地元警察は未成年者3人を含む5人が負傷したと発表した。その場で50歳の男が取り押さえられた。北京の日本大使館によると、邦人が巻き込まれたとの情報は入っていない。
 現場はIT関連企業が集中する「中国のシリコンバレー」と呼ばれる中関村地区。下校中の児童と迎えの保護者が狙われたとみられる。負傷者は病院に運ばれたが、命に別条はない。警察が動機などを調べている。
 中国では、広東省深セン市で日本人学校に通う男児が刺殺されるなど、子供が刃物で襲撃される事件が相次ぎ、邦人社会に不安が広がっている。類似事件が首都で起きたことを、習近平政権は重く受け止めそうだ。
 日本大使館は在留邦人に「外出時には不審者の接近に気を付けて」などと注意喚起した。中国では景気低迷が長引いており、工場閉鎖や人員削減などで失業者が増えている。「弱い立場にある子供にいら立ちの矛先が向けられている」とも指摘される。 
〔写真説明〕28日、刃物による襲撃事件が起きた中国・北京市内の小学校の前

(ニュース提供元:時事通信社)