【エルサレム、ワシントン時事】イスラエル軍は1日、レバノン南部でイスラム教シーア派組織ヒズボラに対する地上作戦を開始したと発表した。軍は「限定的で局所的かつ標的を絞った急襲」と説明。標的は「テロリストやインフラ」で、対イスラエル国境に近い集落で発表の数時間前から作戦を始めたという。空軍や砲撃部隊も攻撃を行っている。
 イスラエル政府は、ヒズボラの攻撃により避難を余儀なくされた北部住民の帰還を掲げてきた。イスラエルとヒズボラは、約1年間にわたって国境を挟んで交戦を続けてきたが、イスラエルによる地上作戦で新たな局面を迎えた。さらに激しい攻撃の応酬に発展する恐れもあり、情勢は一段と緊迫している。
 米ネットメディア「アクシオス」は、イスラエル政府が9月30日の治安閣議で作戦を承認したと伝えた。イスラエル当局者はアクシオスに、作戦は期間が限定され、レバノン南部の占領は意図していないと主張。情報筋は、バイデン米政権は地上作戦の「戦略的目的」を理解しているものの、範囲が拡大し長期化することへの懸念をイスラエル側に伝えたと明かした。 
〔写真説明〕1日、イスラエルの攻撃を受け、レバノンの首都ベイルート南郊に上がる煙(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)