【北京、台北時事】中国国家安全省は23日、中国本土などにサイバー攻撃を行ったとして、台湾国防部(国防省)情報部門の軍人3人を捜査すると発表した。3人の顔写真も公表し、「台湾独立勢力のサイバー軍」と主張した。
 中国は6月、台湾独立の動きを処罰する司法手続きの指針を発表。実際に執行できないため、中国が「台湾独立派」と敵視する頼清徳政権への威圧が狙いとされる。台湾メディアによると、今回は同指針に基づく初めての捜査とみられる。
 国家安全省は「匿名者64」というハッカー組織が今年に入り、中国本土や香港、マカオを標的にサイバー攻撃を繰り返し、「中国本土の政治制度や政治方針を中傷するデマを広げている」と指摘。調査の結果、世論を操作する「認知戦」を担当する台湾軍の下部組織と判明したと説明した。
 台湾国防部は23日、「発表内容は事実ではない」と否定。中国軍などによる台湾への深刻なサイバー攻撃が続いているとし、中国側こそが「地域の平和を破壊している張本人だ」と反発した。 

(ニュース提供元:時事通信社)