【ワシントン時事】米民主党大統領候補のハリス副大統領は29日、シェールオイル・ガス採掘で用いるフラッキング(水圧破砕法)について、「(現在も)禁じていないし、大統領としても禁止しない」と明言した。気候変動対策を含む政策の決定では「問題解決に向けて共通理解を得ることが重要だ」と話し、合意形成を重視する考えを示した。
 米CNNテレビのインタビューで明らかにした。
 フラッキングは、化学物質を含む高圧水を岩盤に注入して亀裂を生じさせ、石油やガスを取り出す手法で、環境汚染や地盤への悪影響が懸念されている。ハリス氏は、過去にフラッキング禁止に言及。急進的な気候変動対策も支持しており、大統領選を控え、エネルギー産業が盛んな激戦州などで警戒されていた。
 ハリス氏は「価値観は変わっていない。気候変動危機から身を守るため、何をすべきか真剣に考えることが重要だ」と述べ、気候変動対策を推進する姿勢を強調。「フラッキングを禁止しなくても、クリーンエネルギー経済の成長と繁栄は実現できる」と語った。 

(ニュース提供元:時事通信社)