7日間の映像を常時録画、スマートデバイスで視聴可能

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危機管理とBCPの専門誌を発行するリスク対策.com(株式会社新建新聞社)と株式会社TDモバイルは、災害時に自社物件や周辺被災状況が直ちに確認できるクラウド型監視カメラの販売を3月25日から開始した。インターネット経由のいわゆるネットワークカメラで、自社施設内や屋上などに設置すればスマートフォンやタブレットなどスマートデバイスから見ることができる。従来のネットワークカメラは、通信負荷が重く、アクセス数が増えると視聴環境が悪化したり、長時間の常時監視では途中で映像が途切れるなどの課題があった。クラウド型監視カメラは独自技術の強固なサーバーにより、こうした課題を解決。映像は7 日分が常時クラウド上で録画されているため、仮に停電などにより回線が切断しても、直前までの状況が確認できるなどの特長がある。災害時だけでなく、常時は監視カメラとして活用することも可能だ。

災害時に必要なのは被災状況の把握
災害時には、自社物件や周辺の被災状況を迅速に把握することが求められる。しかし、過去の災害では、製造業において「夜間で工場に従業員が不在で内部の様子が長時間わからなかった」「化学薬品などを使っているため危険で内部に入れず工場内の様子が把握できなかった」などの課題が発生したり、建設業においては「施工中物件の安全確認をしたくても人員の不足などにより、確認までかなりの時間を要した」などの課題が報告されている。東日本大震災においても電話回線の輻湊などにより被災地の工場と連絡がとれず、本社側から支社や工場の状況が数日間確認できないといった問題が多数指摘された。

こうしたことから、リスク対策.comとTDモバイルでは、仮に通信が途絶しても直前の状況が即座に把握できるシステムについて検討を重ね、クラウドサービス事業を展開する株式会社Ciaoの技術提供を受け「災害時にも役立つクラウド型監視カメラ」を開発した。

クラウド型監視カメラは、ID・パスワードによりアクセスを管理。セキュリティを満たした上で「強固なサーバーにより、数百人が同時アクセスも可能」(Ciao開発担当者)なため、数人だけが視聴するクローズ環境から、公共空間などで不特定多数に公開するオープン環境まで幅広い用途で活用ができる。さらに、クラウド上での常時録画により、カメラサイトごとに、過去の映像を確認・ダウンロードできるため、災害発生後に通信が途絶した場合、その直前状況をもとに対応を検討することが可能になる。

TDモバイル担当者は「レコーダー型のネットワークカメラの多くは、現地にレコーダーを設置するが、これでは災害時に同時被災する可能性がある。クラウド型は仮に現地が被災してもデータはクラウド上で管理されているため映像が残る」とシステムの優位性を語る。レコーダーが不要のためイニシャルコストが大幅に下げられるメリットもある。

映像は、パソコンでも、もちろん視聴が可能で、音声にも対応(オプション)。災害対策本部でプロジェクターにつないでスクリーンに映し出すことで、対策本部全員がリアルタイムで被災地の状況を共有できる。

カメラは、上下左右、ズーム(最大8倍)などの操作が可能で、録画映像は画面キャプチャごと再生、巻き戻しができる。画像サイズは640×480VGAで、フレームプレートは標準が1fps。

用途に応じて増強が可能で、必要回線速度は常時上り400kbps×カメラ台数。

インターネット環境が整っていることが条件。Wi-Fiでも接続が可能だ。

カメラ本体はパナソニックのBB-SW174シリーズを推奨(本体価格約8万円)、屋外使用ではハウジング処理により防水・防塵性を高めることもできる。

利用料金は、カメラ本体価格+月々の利用料が1台あたり5000円(カメラ設置費用はユーザー負担)。今後、地図アプリと連動させ、地震発生時などに一定震度以上の地区にあるカメラの位置が即座に把握できるようにしたり、仮に通信回線が途絶えた場合でも、現地で携帯やスマート端末のカメラで撮影した映像やテキストデータを見られるようにするなど改良を加えていくことも予定している。

 現在、無料で見られる「お試しカメラ」によるリアルタイム映像を公開中。

詳細はhttp://risktaisaku.com/sys/bousai/?p=136
問い合わせはリスク対策.com(03-3556-5525)。