【台北時事】中国による武力攻撃を想定した台湾軍最大の定例軍事演習「漢光演習」が22日、始まった。例年よりも実戦に近い状況で訓練することを重視。26日までの日程で離島を含む台湾各地で行われる。同時並行する形で、全土の民間人を対象とする防空避難訓練「万安演習」も22日に始まった。
 漢光演習の初日は、北東部・宜蘭県蘇澳で海軍艦隊が緊急出港する訓練が行われた。また、北部・桃園国際空港に近い小学校では、動員令を受けた予備役らが集合し装備を身に着け戦闘準備に入る様子が公開された。
 今年は、演習のシナリオを現場の兵士に知らせず、市街地での訓練を増やし24時間態勢で実施する。台湾国防部(国防省)は「複雑化し、不確実性が高まる情勢に対処する」と強調した。
 一方、22日の万安演習では、中部7県市でミサイル攻撃を想定した防空避難訓練が一斉に行われ、サイレンを合図に市民が屋内や避難施設に移動した。台中市ではミサイル攻撃で火災が発生したと仮定し、約1万人が訓練に参加した。万安演習は25日まで行われる。 
〔写真説明〕22日、澎湖諸島で台湾軍最大の定例軍事演習「漢光演習」に参加する兵士(台湾軍当局提供)(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)