2024/07/12
防災・危機管理ニュース
木原稔防衛相は12日の閣議で、2024年版防衛白書を報告した。中国の軍事動向について「西太平洋など(小笠原諸島とグアムを結ぶ)第2列島線に及ぶわが国周辺全体での活動を活発化している」と強調。北朝鮮の核・ミサイル開発の進展も取り上げ、「質的な能力向上に注力している」と危機感を示した。
白書は、台湾海峡周辺での中国軍の威圧的行動などに言及。「中台間の軍事的緊張が高まる可能性も否定できない」として、中国側が情勢悪化を招いているとの見解を明記した。
北朝鮮を巡っては、昨年来の傾向として「装備体系の多様化や、運用能力を補完する情報収集・警戒監視・偵察(ISR)手段の確保」に力点を置いていると分析。軍事偵察衛星の打ち上げや、固体燃料式の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星18」発射などを、具体例として挙げた。
ウクライナ侵攻を続けるロシアの継戦能力に関し、「北朝鮮からの砲弾やミサイル調達」に触れ、長期化の可能性を指摘した。
日韓関係では、6月の火器管制レーダー照射問題の再発防止策合意を踏まえ、「さまざまな分野で協力・交流を推進していく」と表明。島根県の竹島については、従来通り「わが国固有の領土」と記した。
〔写真説明〕2024年版防衛白書の表紙(防衛省提供)
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/07/30
-
大規模地震発生時における適切な行動判断のための情報提供シナリオを提示
内閣府はこのほど「大規模地震の発生に伴う帰宅困難者等対策のガイドライン」を改訂した。従来の3日間の「一斉帰宅抑制」の基本原則を維持しつつも、帰宅困難者等の適切な行動判断のための情報提供のあり方と、一斉帰宅抑制後の帰宅場面における再度の混乱発生の防止の観点を新たに加えた。
2024/07/30
-
-
-
-
3線モデルで浸透するリスクマネジメントコンプライアンス・ハンドブックで従業員意識も高まる【徹底解説】パーソルグループのERM
「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンとして掲げ、総合人材サービス事業を展開するパーソルグループでは、2020年のグループ経営体制の刷新を契機にリスクマネジメント活動を強化している。ISO31000やCOSO-ERMを参考にしながら、独自にリスクマネジメントの体制を整備。現場の業務執行部門(第1線)、ITや人事など管理部門(第2線)、内部監査部門(第3線)でリスクマネジメントを推進する3線モデルを確立した。実際にリスクマネジメント活動で使っているテンプレートとともに、同社の活動を紹介する。
2024/07/23
-
インシデントの第一報を迅速共有システム化で迷い払拭
変圧器やリアクタなどの電子部品や電子化学材料を製造・販売するタムラ製作所は、インシデントの報告システム「アラームエスカレーション」を整備し、素早い情報の伝達、収集、共有に努めている。2006年、当時社長だった田村直樹氏がリードして動き出した取り組み。CSRの一環でスタートした。
2024/07/23
-
「お困りごと」の傾聴からはじまるサプライヤーBCM支援
ブレーキシステムの開発、製造を手掛けるアドヴィックスは、サプライヤーを訪ね、丁寧に話しを聞くことからはじまる「BCM寄り添い活動」を2022年度から展開している。支援するのは小規模で経営体力が限られるサプライヤー。「本当に意味のある取り組みは何か」を考えながら進めている。
2024/07/22
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方