【キーウ時事】ロシアは8日午前(日本時間同日午後)、侵攻を続けるウクライナの複数の都市に大規模なミサイル攻撃を加え、ロイター通信によると、全土で少なくとも36人が死亡した。首都キーウ(キエフ)も攻撃され、21人が死亡した。最近では最も激しい攻撃とみられる。
 キーウでは小児病院が被害を受け、建物の一部ががれきと化した。別の病院も被弾した。首都を狙った日中の攻撃は、このところは少なく、キーウのクリチコ市長はロイターに対し、2022年2月の侵攻開始後で「最悪の攻撃の一つ」と語った。
 ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、X(旧ツイッター)への投稿で「ロシアのテロリストが再びウクライナに大規模なミサイル攻撃を仕掛けてきた」と非難。キーウのほか東部のドニプロやクリブイリフ、クラマトルスクなどが攻撃を受け、さまざまなタイプのミサイル40発以上が撃ち込まれたと明らかにした。
 住宅やインフラ施設などが攻撃を受けたという。ゼレンスキー氏は「ロシアの攻撃を終わらせるため、全世界はあらゆる決意をもって臨まなければならない。プーチン(ロシア大統領)がもたらすのは殺りくだけだ」と批判した。
 一方、ロシア国防省は8日、ミサイルを迎撃するためにウクライナが発射した防空ミサイルが被害を招いたと主張。「ロシアのインフラ施設などに被害を与えようとする試みに対抗するため、ウクライナの軍事産業インフラや航空基地を攻撃した」と正当化した。 
〔写真説明〕8日、キーウ(キエフ)で、ミサイル攻撃を受け破壊された小児病院のがれきを取り除く救助隊(AFP時事)
〔写真説明〕8日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)に上る黒煙(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)