【ニューデリー時事】インド気象局は、首都ニューデリーの28日の最高気温が観測史上最高の49.9度に達したと発表した。29日は52.9度が観測されたが、機器の問題などによる誤計測の可能性があるとしている。インドは5月に入り北西部を中心に熱波に見舞われ、50度に達する地域が出ている。同局は熱中症への警戒を呼び掛けている。
 「こんなに暑いのは初めて。たまに頭痛がする」。炎天下、ニューデリーの建設現場で働いていたムンナ・シンさん(27)は連日の酷暑をそう嘆いた。日陰で休んでいた大理石職人の男性(22)はインドの発酵飲料「ラッシー」を飲み、体を冷やしているという。
 首都圏は例年4、5月が最も暑く、6月に入ると降雨によりやや和らぐ。気象局は首都圏や西部ラジャスタン州などに最高レベルの警報を発令。直射日光を避け、十分に水分を補給するよう訴えている。同州の一部地域では28日に50.5度を記録した。
 6月1日まで実施中の総選挙では前回2019年に比べて投票率が低下した選挙区もあり、酷暑の影響が指摘されている。
 熱波は隣国パキスタンも襲っている。地元メディアによると、南部シンド州にある世界遺産モヘンジョダロ遺跡の周辺などで最高気温が52度を超えた。 
〔写真説明〕28日、熱波に見舞われたインドの首都ニューデリーで、水をまくトラックの後ろを走る子供たち(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)