政府は10日、2024年版の中小企業白書を閣議決定した。雇用の約7割を占める中小企業において、求人難や物価高を背景とした賃上げが拡大していると指摘。ただ、政府が推進する「持続的な賃上げ」の実現に向けては、原資の確保のための価格転嫁が不十分だと強調した。
 白書によると、24年に賃上げを実施予定と回答した中小企業の割合は61.3%だった。原材料費などのコスト上昇分を、中小企業が取引価格に反映できた価格転嫁率(23年9月時点)は45.7%にとどまった。 
 このほか、コロナ禍後の景気回復に伴い人手不足が深刻化する中、日本の労働生産性が経済協力開発機構(OECD)加盟国の中でも低いことを指摘。国際競争に負けない経済成長に向けて、「中小企業の労働生産性を高めていく必要性がより一層高まっている」との認識を示した。(了)

(ニュース提供元:時事通信社 2024/05/10-19:01)

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