2024/05/03
防災・危機管理ニュース
大型連休を迎えた能登半島地震の被災地で、災害ボランティアの活動が本格化している。発生当初は厳しい道路事情の中、渋滞回避のため「ボランティア自粛論」も広がったが、一部地域でマイカーによる現地集合が可能になるなどアクセスは徐々に改善。自治体は連休中が活動のピークになるとみて受け入れ体制を整えている。
石川県穴水町のボランティアセンターによると、大型連休に入ってから1日までの参加者は1日平均90人超で、前週の1.6倍となった。4月下旬に被災家屋からの家具の運び出しに参加した浜松市の自営業、古田哲也さん(45)は車中泊を続けており、この日が活動3日目。「3月に来た時はいったん金沢市に集合し、バスで移動しなければならなかった。現地集合だと作業時間も多く確保でき、ありがたい」と話した。
ロシアから来日して5年目のデニスさん(40)は「能登が大変なことになっている。自分に何かできることはないか」と思い、群馬県沼田市の自宅から車で片道9時間かけて駆け付けた。仕事の都合で作業は1日だけだったが、「今度は泊まりで参加したい」と語った。
県によると、被災から3カ月半がたった4月16日時点のボランティア活動者数は延べ約6万6000人。同じ期間で10万人超が参加した熊本地震と比べ低調だが、県関係者は「活動者数は連休中に大きく増え、ピークになる」と予想する。
水道が最近復旧したばかりの珠洲市飯田町では4月下旬、連合石川が派遣したボランティアが住民に困り事を聞いて回った。実際には助けを必要としていても、遠慮して自分からは要望を言い出さない住民も多いためだ。
市社会福祉協議会の担当者は「仮設住宅ができて住民が戻ってくると、ボランティアの需要はさらに増える」と説明、息の長い支援に期待している。
〔写真説明〕能登半島地震の被災家屋から家具を運び出すボランティアの古田哲也さん(左)とデニスさん=4月26日、石川県穴水町
〔写真説明〕能登半島地震被災者のニーズを聞き取るための戸別訪問で、不在の家にチラシを入れる連合石川のボランティア=4月24日、石川県珠洲市
(ニュース提供元:時事通信社)
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