2024/03/22
防災・危機管理ニュース
厚生労働省は22日、主要な水道管である「基幹管路」のうち、大規模地震に耐えられる割合を示す「耐震適合率」が2022年度末時点の全国平均で42.3%だったと発表した。政府は28年度末までに60%以上へ引き上げる目標を掲げているが、前年度から1.1ポイントの上昇にとどまり、全国的に改修が進んでいない実態が浮き彫りになった。
都道府県別に見ると、高知が24.8%で最も低く、岡山(25.6%)、秋田(26.4%)と続いた。一方で最も高かったのは神奈川の73.6%で、次いで東京(66.8%)、千葉(62.3%)だった。
厚労省は今回の調査結果に関し「依然として低い水準であり、地域によって耐震化の進み具合に大きな開きがある」と分析。耐震化工事を担当する職員や財源の不足が原因とみて、技術的な支援などを継続する方針だ。
1月に発生した能登半島地震では水道管の破損を受け、石川県で一時最大11万戸超で断水が発生。今月22日時点でも県内では1万戸超で断水が続いており、被災者の生活に深刻な影響を及ぼしている。
◇水道基幹管路の耐震適合率
北海道 45.6
青 森 46.6
岩 手 54.3
宮 城 48.9
秋 田 26.4
山 形 44.4
福 島 59.3
茨 城 45.9
栃 木 39.9
群 馬 42.7
埼 玉 49.7
千 葉 62.3
東 京 66.8
神奈川 73.6
新 潟 36.7
富 山 43.5
石 川 37.9
福 井 44.2
山 梨 44.0
長 野 39.7
岐 阜 42.2
静 岡 44.8
愛 知 60.6
三 重 33.5
滋 賀 32.7
京 都 41.1
大 阪 51.0
兵 庫 48.7
奈 良 45.3
和歌山 34.6
鳥 取 27.3
島 根 30.0
岡 山 25.6
広 島 35.6
山 口 47.4
徳 島 29.1
香 川 37.9
愛 媛 33.6
高 知 24.8
福 岡 42.2
佐 賀 28.8
長 崎 33.4
熊 本 31.8
大 分 37.7
宮 崎 30.3
鹿児島 29.6
沖 縄 32.3
合 計 42.3
(注)2022年度末、単位は%
(了)
(ニュース提供元:時事通信社 2024/03/22-16:53)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/26
-
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方