ダイハツ工業の認証不正問題で、同社が少なくとも来年1月末まで、完成車を製造する国内全4工場での生産を停止することが22日、分かった。2月以降も再開は見通せず、生産停止がさらに長期化する可能性がある。
 4工場は、本社工場(大阪府池田市)、滋賀工場(滋賀県竜王町)、京都工場(京都府大山崎町)、子会社ダイハツ九州の大分工場(大分県中津市)で、いずれも今月26日までに稼働を停止。22日にはエンジンを製造するダイハツ九州久留米工場(福岡県久留米市)の生産を停止した。
 認証不正を巡り、国土交通省は21日、ダイハツに対する立ち入り検査を開始。現在生産中の全ての車について、安全や環境に関する国の基準(保安基準)に適合するか検証し、確認が済むまで出荷停止を指示している。量産に必要な「型式指定」の取り消しを含む行政処分も検討している。
 斉藤鉄夫国交相は22日の閣議後記者会見で、ユーザーから不安の声が上がっていることを踏まえ「国民の安全安心の確保を大前提として、道路運送車両法に基づき厳正に対処していく」と強調。リコール(回収・無償修理)が必要な場合は、速やかに届け出を行うよう指導する考えを示した。
 ダイハツは、受注済みの約6万台のうち、完成していない1万2000台の納車を取りやめる。完成済みの4万8000台については、顧客の希望に応じ、納車かキャンセルかを決める方針だ。
 問題の深刻さに株式市場も敏感に反応。ダイハツ親会社のトヨタ自動車の株価(終値)は、不正拡大を発表した翌日の21日、前日比106.5円安の2537.5円と大幅に下落。22日も21.5円安の2516円と続落した。一方、軽自動車でダイハツとライバル関係にあるスズキは、21日が123円高の5896円、22日が204円高の6100円と続伸し、明暗を分けている。 
〔写真説明〕ダイハツ工業のロゴマーク

(ニュース提供元:時事通信社)