中央自動車道笹子トンネル(山梨県)で天井板が崩落し男女9人が死亡した事故は2日、発生から12年を迎えた。事故現場付近で追悼慰霊式が行われ、発生時刻の午前8時3分に合わせ、遺族らが黙とうをささげ献花した。遺族は「何年たとうと苦しさ、悔しさといった気持ちは年々強くなる」と心境を吐露した。
 慰霊式は、トンネルを管理する中日本高速道路(名古屋市)が主催。中央道下り線初狩パーキングエリアで開かれ、遺族や同社幹部、国土交通省関係者ら約60人が参列した。
 同社の縄田正社長は「事故の記憶と教訓を風化させることなく、高速道路の安全性向上という永遠の課題に取り組む」と語った。
 その後、遺族による献奏が行われ、参列者が再度献花した。
 犠牲者の一人、石川友梨さん=当時(28)=の父信一さん(75)は式後に取材に応じ、「私たちがずっとお願いしているのは、事故の真相について説明責任を果たしてほしいということ」などと語った。 
〔写真説明〕笹子トンネル事故から12年を迎え、慰霊碑に献花する遺族ら=2日午前、山梨県大月市(代表撮影)
〔写真説明〕笹子トンネル事故から12年を迎え、追悼慰霊式で涙を流す遺族ら=2日午前、山梨県大月市(代表撮影)

(ニュース提供元:時事通信社)