未知のリスクへの対応
ESGに基づくコミュニケーションの重要性
大杉 春子
コミュニケーション戦略アドバイザー 。民間企業・地方自治体・省庁などのパートナーとして、PR戦略の策定から広報物の制作監修まで幅広い支援を行う。日本でのERC普及を目指し、2020年に日本リスクコミュニケーション協会を設立し、国内外の専門家を束ねる。リスク管理からBCP/BCM、危機管理広報までを網羅した新たなリスクコミュニケーションのスキルを持った『リスクコミュニケーター』の育成を展開。
2023/10/22
先行者から学ぶESGコミュニケーション
大杉 春子
コミュニケーション戦略アドバイザー 。民間企業・地方自治体・省庁などのパートナーとして、PR戦略の策定から広報物の制作監修まで幅広い支援を行う。日本でのERC普及を目指し、2020年に日本リスクコミュニケーション協会を設立し、国内外の専門家を束ねる。リスク管理からBCP/BCM、危機管理広報までを網羅した新たなリスクコミュニケーションのスキルを持った『リスクコミュニケーター』の育成を展開。
ビジネス環境は日々変わるもの。その変動の中で、イスラエルとハマスの紛争は、グローバル企業が迅速に外部の状況に適応することの大切さを示す事例となっています。この10年間イスラエルへの日本企業の投資が10倍増加し、90社以上が新たに進出しています。これは大きな経済的波及を示しています。直接紛争に関与していない企業も影響を受けています。
このような背景の中、いま企業が持続可能な経営を目指す際の鍵となるのが、ESG(環境、社会、ガバナンス)の考え方です。特に、未知のリスクにどう対応するかは、企業のESG戦略の質を示すバロメーターと言えます。
ESGの考え方を早くから取り入れ、経営の中心としてきた企業は未知のリスクへの現代的な対応方法を熟知しています。例えば、パタゴニアやHonest Teaのような企業は、外部環境の変化や新しいリスクに迅速に対応するための独自のアプローチを持っています。彼らは、自社のミッションと倫理的価値を前面に出し、その中核としてESGを位置づけています。これにより、未知のリスクが生じた際でも、そのミッションと価値観を軸に、適切な対応策を迅速に策定することができます。
イスラエルとハマスの紛争のようなさまざまな価値観が入り組んだデリケートな外部リスクは、これからも続々と生じるでしょう。新しいリスクは常に予想外のものです。しかし、ESGを経営の中心に据えることで、未知のリスクにも、現代的に柔軟かつ戦略的に対応することが可能です。以下に、その取り組み方法を詳しく見ていきましょう。
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