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本連載では前々回(第216回)から、国連防災機関(United Nations Office for Disaster Risk Reduction:略称UNDRR)(注1)から2023年4月に発表された、「仙台防災枠組2015-2030」(注2)に対する各国での取り組み状況の中間レビューのための報告書を紹介させていただいている。今回はその3回目として、後半部分の「Prospective Review」という部分から、筆者が特に注目した部分をピックアップしてご紹介したいと思う。

なお本報告書は下記URLから無償でダウンロードできる。
https://www.undrr.org/publication/report-midterm-review-implementation-sendai-framework-disaster-risk-reduction-2015-2030
(PDF 124ページ/約 19 MB)

本報告書は大きく2つの部分に分かれており、前半部分が「Part I - Retrospective Review」というタイトルで、これまでの状況を振り返るレビューとなっているのに対して、後半部分は「Part II - Prospective Review」として、将来の見込みや予想という観点でまとめられている。

なお後半部分にはデータや図表などが含まれておらず、文章のみの内容となっているので、本稿も今回は図表なしの記事となることをご了承いただきたい。

後半部分の項目構成は次のようになっている。これらのうち Priority 1〜4 は仙台防災枠組に記載されている4つの「優先行動」であり、本報告書ではこれらの優先行動に関して各国がどのように取り組むべきかがまとめられている。

9.  Strategic perspectives (戦略的視点)
10. Priority 1: Understanding disaster risk (災害リスクの理解)
11. Priority 2: Strengthening disaster risk governance to manage disaster risk (災害リスクを管理する災害リスク・ガバナンスの強化)
12. Priority 3: Investing in disaster risk reduction for resilience (レジリエンスのための災害リスク軽減への投資)
13. Priority 4: Enhancing disaster preparedness for effective response and to “build back better” in recovery, rehabilitation and reconstruction(効果的な災害対応への備えの向上と、復旧・復興過程における「より良い復興(Build Back Better)」)
14. Conclusion (結論)
15.  Bibliography (参考文献)
  1.  

本稿ではこれらのうち、筆者が特に関心を持った2つのセクションについて、その概略を紹介する。